理系学部新設支援事業で10大学を選定、DXハイスクールとの連携事例も
ニュース
2026.0824
ニュース
3行でわかるこの記事のポイント
●デジタル・グリーンなど成長分野への学部転換等を支援
●17校が申請し、公立2校、私立8校が選ばれた
●愛知淑徳大学はバイオ・ヘルスケア専門人材を養成する新学部を構想
文部科学省はこのほど、大学・高専機能強化支援事業(成長分野転換基金)の2026年度の一部選定結果を発表した。この事業は国を挙げて推進する理系人材拡大の一環で、理・工・農の学位分野の学部・学科等の新設・再編等が対象。選定された10大学には原則8年以内、20億円程度までの支援がなされる。
🔗文科省の発表
🔗大学改革支援・学位授与機構の発表
🔗理系学部新設等を支援する事業に「大規模文理転換枠」新設、助成額引き上げへ
🔗理系学部等新設の支援対象27大学が決定、選定率は77%
成長分野転換基金は、デジタル・グリーン等の成長分野への学部転換等の支援を目的に、2022年度の第2次補正予算で創設された。2025年度補正予算で200億円を積み増し、計1000億円規模となっている。
大学・高専機能強化支援事業ではこの基金を活用し、大学の学部再編等の経費20億円程度までを原則8年以内(最長10年)の期間、支援する。
文科省は2032年度まで申請を受け付ける予定だ。
支援の枠組みは以下の通り。
■支援1
学部再編等による特定成長分野への転換(対象:公私立大学)
①成長分野転換枠
理系の純増、理系から理系への転換、文系からの小規模な転換などが対象
②🔗大規模文理横断転換枠
文系学部の定員の全てまたは一部を使った文理融合学部や理系学部への転換が対象で、2026年度に新設された枠。
■支援2
高度情報専門人材の確保に向けた機能強化(対象:国公私立の大学院・高専)
今回発表されたのは、支援1の①成長分野転換枠の通常審査分。2026年1月から2月にかけて実施された公募に公立大学2校、私立大学15校が申請し、公立2校、私立8校の計10校が選ばれた。
〈選定校〉
山梨県立大学、奈良県立大学
北海学園大学、北海道情報大学、人間総合科学大学、麻布大学、神奈川工科大学、愛知淑徳大学、立命館大学、広島国際大学
神奈川工科大学と愛知淑徳大学は支援1で2回目の申請。
支援1の②大規模文理横断転換と支援2は9月頃までに選定される見通し。
選定校の中から、山梨県立大学と愛知淑徳大学の計画について、発表資料や大学のホームページ等を基に紹介する。いずれも現時点での構想であり、名称等含め今後、変更があり得る。
山梨県立大学は2028年度、現在の国際政策学部(総合政策学科、国際コミュニケーション学科)から国際共創学部(仮称)への改組を予定。いずれも社会科学系の既存2学科を国際政策学科(仮称)に統合する一方、工学系のメイカーズ工学科(仮称、⼊学定員50人)を新設する。
メイカーズ工学科は「科学的理解と技術的創造性を基盤とし、持続可能な未来をデザインする創造的実践者の養成」を掲げる。「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」に選定された県⽴甲府⼯業⾼校と連携、7年一貫教育で新しいデジタル分野のものづくり人材「メイカーズ」を育成する。
デジタル製造、データサイエンス、地域共創、マテリアルサイエンス、エンジニアリング、デザイン、社会実装マネジメント、統合・卒業演習などの専⾨科⽬群を基盤に、実務経験がある教員の下で⼯業・ハイテク産業、伝統⼯芸、農業、地域活性化等の各分野の産学連携PBLに力を入れる。
工学系学科の新設は、山梨大学との連携で2022年度に選定された「地域活性化人材育成事業~SPARC」はじめ、これまでの地域創⽣⼈材育成の取り組みを発展させる改革だ。大学等連携推進法人のパートナー・⼭梨大学のほか、地域連携プラットフォームに参画する⼭梨県商⼯会議所連合会、⼭梨中央銀⾏との連携も生かされる。
愛知淑徳大学は、2028年度に応用生物学部(入学定員120人)を新設する計画で選定された。同学部では、食品・化粧品・バイオ等の関連産業で活躍するバイオ・ヘルスケアの専門人材を養成する。
自然科学全般の基礎科目を基盤とし、食品・香粧品関連分野、発酵・酵素利用技術等を含むバイオテクノロジー分野の専門教育を展開。総合大学の強みを生かし、文理横断的な学修も可能なカリキュラムを構築する。
3年次から食品科学・コスメティックサイエンス・バイオサイエンス・理科教員養成の4つのコースに分かれる "ゆるやかなコース制" を敷く。関連産業の技術者のほか、中学・高校の理科教員など幅広い出口を想定している。
コースごとの専門的な学修では、食品会社や化粧品企業との連携によるPBLや学外実習など、実践的な学びを展開する。
「成長分野転換基金」の選定結果から読み解く、選ばれる学部再編の要諦
「成長分野転換基金」による支援は今回、公私立大学から計10件が選定され、デジタル・グリーン分野への学部転換が加速しています。
選定された大学の共通点は、既存の学問領域に「情報」や「バイオ」を掛け合わせ、地域産業と密に連携した人材育成を掲げている点です。しかし、学部再編の成功は、申請書上の「人材像」を描くだけでは完結しません。
「大学が考える価値」と「市場が求める価値」をどう合致させ、開設後に選ばれ続ける学部にするか
この構想段階での「論点整理」こそが、開設後の大学の命運を分けます。
進研アドは、認可申請のサポートはもちろん、構想段階からの「コンセプト設計」や「市場ニーズ検証」まで、貴学の理念を核とした一気通貫の改革支援を行っております。
「新設・改組を機に、大学のブランドを先鋭化させたい」「構想の成功確度を高めたい」とお考えの大学は、ぜひ一度、進研アド改革支援サービスにご相談ください。貴学の未来を形にするための「論点整理」から、共に始めさせていただければ幸いです。
🔗経営改革・将来構想支援|株式会社進研アド
進研アド改革支援 問い合わせ窓口
ad-kaikaku@shinken-ad.co.jp