2026.1029

漫画制作を軸に置いた4年制専攻を新設、プロに必要な学びをすべて提供-OCA大阪デザイン&テクノロジー専門学校

この記事をシェア

  • クリップボードにコピーしました

3行でわかるこの記事のポイント

●漫画制作に専念し、卒業までに15作品の完成をめざす
●イラストは"漫画家に必要な能力"の一つとして修得
●プロ編集者の出張添削会でデビューのきっかけを提供

漫画を描くことが大好きでプロになりたいけど、本当になれるの―? OCA大阪デザイン&テクノロジー専門学校は、そんな高校生の思いに応えようと、2027年4月、4年制の「マンガマスター専攻」を新設する。「好きを仕事にする」という学校コンセプトの下、"漫画制作を軸に置いた学び"で、漫画家になりたいという夢の実現を応援する。


漫画のファン層が広がり、描き手の人材ニーズが高まる

滋慶学園グループの🔗OCA大阪デザイン&テクノロジー専門学校(以下、「大阪TECH」)は大阪市西区に校舎を構え、ゲームクリエーター、CG・映像、e-sports、AI・IT・ロボット、イラスト・アニメ・デザイン・マンガ・小説、VTuberの各分野の多様な専攻を設けている。

同校が4年制の「🔗マンガマスター専攻」を新設する背景には、漫画を取り巻く市場環境と創作環境の変化がある。同専攻の設置準備に関わる担当者は次のように説明する。
「紙媒体の漫画市場は縮小傾向にあるが、ウェブやアプリなどメディアが多様化し、国内のみならず海外にも日本の漫画のファンが広がっている。漫画を原作にしたアニメや実写ドラマなどの映像作品も数多く制作されており、漫画はIP(知的財産)の重要な源泉となっている」

こうした状況を受け、漫画制作の人材ニーズは一層、高まっている。
「一方で、SNSなどを通じて作品を発表し、短期間で他者から反応を得られる機会も増えている。漫画とイラストの両方に取り組む若い描き手にとって、比較的短期間で完成・発表できるイラストは、成果を実感しやすい表現でもある。だからこそ、漫画家をめざす人には、漫画制作を軸に据え、作品を完成させる経験を積み重ねられるカリキュラムが必要ではないかと考えている」(設置準備担当者)

4年制専攻では漫画制作の専門性を追求

漫画制作には作画、ストーリー構成、キャラクターデザイン、コマ割りなど、さまざまな技術が求められ、イラストとは学ぶべき内容が異なる。
「プロの漫画家になるには、漫画制作に特化した学びが必要だ。商業漫画の表現が高度化し、作品に求められるクオリティも高まる中、新人にも高いレベルの漫画制作力が求められている。こうしたニーズに対応するには、4年間、漫画制作を主軸に学べる環境と、プロの視点から作品を評価し、その成果を認められる講師陣を整える必要があると考えた」

大阪TECHには、3年制の「コミックイラスト&マンガ専攻」もある。イラスト表現からマンガ制作まで幅広く学ぶ専攻で、「絵を描くのが好きで、イラストと漫画の両方に挑戦したい」という高校生が主な対象となる。

一方、4年制の「マンガマスター専攻」は、プロの漫画家を目指す学生が、漫画制作を主軸に学ぶための専攻だ。両専攻は、それぞれの目標や学びたい内容に応じた教育環境を提供するもので、マンガマスター専攻では4年間を通じて作品制作に取り組み、数多くの作品を完成させる経験を重ねる。同校によると、専門学校で4年制のマンガ専攻は日本初だという。

tokusetsu.png

作品を完成させ、承認と振り返りを積み重ねる

「マンガマスター専攻」には、大阪TECHが30年間のマンガ教育で多くのプロの漫画家を送り出す中で培ったノウハウとリソースを結集する。
3年制の専攻と同様にイラストも学ぶが、単行本の表紙やウェブ漫画のサムネイルなど、あくまでもプロの漫画家に求められる能力の一つとして位置づける。

「これからの漫画家にはCGやAIの基礎知識が必要と判断すれば、現在設定中のカリキュラムにこれらを組み込む可能性もある。また、編集者とのやり取りに必要なコミュニケーション能力や社会人マナーに加え、就職活動に向けたエントリーシートの作成や面接対策なども授業に組み込む。クオリティの高い漫画を制作するための技術だけでなく、漫画家として活動を続けていくために必要なことも学べるようにする」

漫画制作を学ぶ教育機関では、年間1、2本の作品の完成を目標とする課程もある。これに対し、「マンガマスター専攻」では全員が4年間で15作品以上を完成させるカリキュラムを設定。
「プロの漫画家を目指すうえでは、何よりも一つの作品を最後まで完成させる経験が大切だ。絵を描く練習をしたり、物語の設定やキャラクターを考えたりすることも創作には欠かせないが、それらを一つの漫画作品として完成させなければ、読者に届けることはできない。まずは面白い読み切り作品を完成させることが第一歩となる」

「1本の作品で『面白い』『この漫画家の次の作品も読んでみたい』と思ってもらうためには、作品にエンドマークをつけ、他者に見てもらい、評価や意見を受けて振り返り、次の作品に生かす経験を積み重ねることが重要だ。完成した作品があるからこそ、講師もその成果をしっかりと評価し、認めることができる。15作品という目標には、そうした経験をできるだけ多く積んでほしいという思いがある」

4nennkan.png

既存のコミックイラスト&マンガ専攻では半年に1回、30以上の編集部の漫画編集者を招いて出張添削会を開き、学生の作品にアドバイスしてもらっている。10年以上前に同校が他に先駆けて導入したこの会は、マンガマスター専攻にも取り入れられる。
学生にとっては、自ら出版社に作品を持ち込むより格段にハードルが低い形でプロに見てもらう機会となり、この出張添削会での編集者との出会いをきっかけに、デビューを果たした卒業生も数多くいるという。

新たな目標が見つかった学生に対しては転科や転専攻のサポートも

「日本初の4年制のマンガ専攻」に対する高校生の反応はどうだろうか。
オープンキャンパスでは、プロの漫画家から指導を受ける体験授業や、プロ仕様の最新の設備見学に強い関心を示す参加者が多く、広報担当者は好感触を得ているようだ。

就職のことを考えて「専門学校より大学の方が有利なのでは」と迷う高校生も多いという。広報担当者は「オープンキャンパスをサポートする在校生が『自分も漫画が好きという気持ちを第一にして進路選択することに迷いがあったが、今は学校生活が充実し、満足している』と話すと、高校生は『自分と同じような経験をした先輩がいる』と安心できるようだ」と話す。

「私たちからは『好きを仕事にする』という本校のコンセプトとともに、就職サポート部門による支援体制や、就職率がほぼ100%であることも紹介している。マンガマスター専攻では、漫画家としてのデビューをめざすだけでなく、就職に必要な知識やスキルも身につけ、卒業後は仕事をしながら漫画制作やデビューへの挑戦を続けるという選択肢も大切にしている。4年間の学びの中で新たな目標が見つかった場合にも、多様な専攻を設けている強みを生かし、転科や転専攻など、進路の見直しをサポートできる体制がある」と広報担当者。

設置準備担当者は、漫画家を目指す人たちへのメッセージとして次のように話した。
「絵に関するさまざまな分野を漠然と学ぶのではなく、漫画制作を主軸に据えた専門性の高い4年間にしたい。漫画家になりたいと本気で思う若者が、その夢を実現するために必要なことを徹底して学べる専攻にする。これまでにも多くの卒業生が本校からデビューしている。自分も夢をつかみたいと、本気でチャレンジしてほしいし、そんな人を待っている」

<記事のふりかえり>
Q:大阪TECHが、3年制の「コミックイラスト&マンガ専攻」に加えて4年制の「マンガマスター専攻」を新設するのはなぜ?
A:大阪TECHが、3年制の「コミックイラスト&マンガ専攻」に加えて4年制の「マンガマスター専攻」を新設するのは、漫画家を目指す学生が、漫画制作を主軸に4年間学べる環境を整えるため。既存の3年制専攻ではイラストと漫画の両方を学べる一方、新専攻では漫画制作に特化したカリキュラムで、作品を完成させる経験を積み重ね、プロの漫画家に必要な力を養う。

Q:大阪TECHの「マンガマスター専攻」の作品制作数は、他の専門学校や大学と比べてどう違う?
A:大阪TECHの「マンガマスター専攻」の作品制作数は、他の専門学校や大学が年間1、2本であるのに対し、4年間で15本とかなり多い。作品を最後まで描き上げ、他者からの評価や承認を受け、振り返りを次の制作に生かす経験を重ねることを重視している。

Q:大阪TECHの「マンガマスター専攻」では、漫画家を目指す以外にどのような進路の選択肢がある?
A:大阪TECHの「マンガマスター専攻」では就職に必要な知識やスキルも学ぶため、漫画家を目指す以外に、卒業後は仕事をしながら漫画家デビューに挑戦し続けることもできる。在学中に新たな目標が見つかった場合には、転科や転専攻などの進路変更についても学校がサポートする。


2026年10月取材
文・株式会社進研アド(ベネッセグループ)
事業企画部・真境名妙子