THE 日本大学ランキング2025-東北大が5回連続1位、2位は東工大、3位は東大
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2025.0404
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3行でわかるこの記事のポイント
●東北大は国立トップの「国際性」はじめ、バランスの良さが強み
●国際教養大が再びトップ10入り
●私大トップは11位の国際基督教大
イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE:ティー・エイチ・イー)」は4月3日、2年ぶりとなる「THE 日本大学ランキング」の2025年版を発表した。東北大学が5 回連続のトップで、前回4位の東京工業大学が2位、前回2位の東京大学が3位だった。国際教養大学は5ランクアップの10位で、2020年以来のトップ10入り。私立大学トップは11位の国際基督教大学だ。
*東京工業大学と東京医科歯科大学は2024年10月、統合により東京科学大学になったが、本ランキングには統合前の大学が別々に参加した。
🔗「THE 日本大学ランキング」サイト
THEは各大学の強みや個性の明確化と一層の強化を支援する目的で、さまざまな大学ランキングを作成している。教育力重視の「THE 日本大学ランキング」は2017年にスタートし、今回が8回目。
学生の学びの質や成長性に焦点を当て、大学の教学改革やグローバル化の推進に活用してもらおうと、学生調査も取り入れている。受験生や社会に対して入試難易度以外の大学の価値を示すとともに、日本の大学の多様性を世界に発信するねらいもある。
ランキング指標は「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」の4分野で構成。それぞれの項目と比重は前回と同じだ。
今回は257大学がランク付けされた。設置形態別の内訳は国立66校、公立41校、私立150校。
分野別ランキングも参照しながら、総合ランキングを概観する。
総合1位の東北大学は「教育成果」の4位をはじめ、「教育リソース」7位、「教育充実度」8位、「国際性」12位というバランスの良さが強み。「国際性」は今回も国立大学トップだった。
総合2位の東京工業大学は「教育充実度」が国立大学トップの4位で、「教育成果」7位、「教育リソース」14位タイ、「国際性」が17位で、東北大学と同様どの分野もトップ20に入っている。「教育リソース」以外はいずれも前回から順位を上げ、「国際性」は6ランクアップした。
東京大学は「教育リソース」(2位タイ)、京都大学は「教育成果」(1位)でそれぞれ突出する一方、いずれも「国際性」がトップ20圏外だった。
総合10位の国際教養教大学は「国際性」が前回の12位から1位と大きくランクアップ、「教育充実度」は2位、「教育成果」は19位だった。
私立トップ(総合11位)の国際基督教大学は「教育充実度」でトップを維持、「国際性」は3位だった。
大阪市立大学と大阪府立大学の統合により2022年4月に開学した大阪公立大学は、前身の大学の時から大きく順位を上げた前回(40位タイ)に続き、今回も7ランクアップして33位。
トップ100の中で前年より10ランク以上アップしたのは、名古屋市立大学(47位タイ→34位)、神田外語大学(47位タイ→35位タイ)、佐賀大学(66位タイ→51位)、関西大学(66位タイ→52位)、鹿児島大学(65位→55位)、順天堂大学(81位タイ→60位)、創価大学(74位→62位)、北九州市立大学(87位→65位)、島根大学(83位→73位タイ)、香川大学(88位→78位)、高知工科大学(96位タイ→80位タイ)、兵庫県立大学(96位タイ→84位タイ)の12校。
分野別ランキング(上位20位)を見ていく。
「教育充実度」では、前回から9ランクアップで20位タイとなった金沢工業大学が目を引く。
国際系の大学、外国語大学が上位に多い「国際性」では、長崎外国語大学が前回から6ランクアップして11位、会津大学は11ランクアップの14位、神田外語大学は6ランクアップの18位だった。この分野では、大阪女学院大学(4位)、宮崎国際大学(6位)、福岡女子大学(9位)、麗澤大学(19位)など、女子大や小規模大学も「常連」となっている。
THE Chief Global Affairs Officerのフィル・ベイティ氏は「元々留学生の送り出しに力を入れていた大学が、ようやくコロナ禍前の状況に戻りつつあり、その一つである国際教養大学が2020年以来トップ10に返り咲いたことは注目される」とコメントしている。