「THEインパクトランキング2024」総合ランキングで北海道大学が72位タイ
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2024.0613
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3行でわかるこの記事のポイント
●125の国・地域から過去最多の2152校が参加
●日本からの参加は4番目に多い88校
● SDG3(保健)で藤田医科大学が4位にランクイン
イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education」はこのほど、「THEインパクトランキング2024」を発表した。大学の社会貢献の取り組みを国連のSDGsの枠組みを使って可視化するもので、今回が6回目。総合ランキング日本トップは北海道大学の72位タイだった。
「THEインパクトランキング」は気候変動対策やジェンダーの平等、健康と福祉など、国連がSDGsで掲げる17の各目標について、研究、管理責任、アウトリーチ(現場における実践)、教育という広範な4分野にわたる大学の取り組みをランク付けする。サステナビリティにおける大学の貢献度を示すランキングだ。
大学は自学の強みに合った目標を選んでエントリーできる。総合ランキングに参加する場合は「SDG17(パートナーシップ)」が必須項目で、これに加えて3つ以上のSDGについてデータを提出し、「SDG17」以外でスコアの高い3つがランキングに反映される。
SDG別のランキングもあり、こちらに参加する場合は自学が強みとする分野のSDGを1つ以上選び、データを提出する。
2024年のインパクトランキングには、125の国・地域から過去最多の2152校(前年から26%増加)が参加。参加校数が最も多いのはインドの105校で、次いでトルコ100校、パキスタン96校だった。日本は88校で4番目に多い。
総合トップは前年と同じオーストラリアのウェスタンシドニー大学で、2位は同率でイギリスのマンチェスター大学(前年2位)とオーストラリアのタスマニア大学(同5位)。
トップ10にはオーストラリアから4校、イギリスとカナダからそれぞれ2校、デンマークとアメリカからそれぞれ1校ランクインした。
総合トップ100入りはイギリスの25校が最多。
日本の大学の総合ランキング上位は、72位タイの北海道大学、95位タイの京都大学、101-200位の4大学と続き、トップ200入りは以上の6校。
日本の大学のSDG別ランキングについて見ていく。
各SDGの日本最高位は以下の通り。
SDG1(貧困):立命館大学 15位タイ
SDG2(飢餓):京都大学 22位
SDG3(保健):藤田医科大学 4位
SDG4(教育):広島大学、山梨大学 401-600位
SDG5(ジェンダー):お茶の水女子大学 101-200位
SDG6(水・衛生):九州大学 22位
SDG7(エネルギー):九州大学、東北大学 101-200位
SDG8(成長・雇用):愛媛大学、茨城大学、九州大学 101-200位
SDG9(イノベーション):大阪大学、東北大学 16位タイ
SDG10(不平等):広島大学、茨城大学 201-300位
SDG11(都市):広島大学 51位タイ
SDG12(生産・消費):広島大学、北海道大学、神戸大学、京都大学、大阪大学、東北大学、筑波大学、早稲田大学 101-200位
SDG13(気候変動):広島大学 54位タイ
SDG14 (海洋資源):熊本大学 47位
SDG15 (陸上資源):北海道大学 51位
SDG16 (平和):慶應義塾大学 60位
SDG17 (パートナーシップ):広島大学 45位タイ
※( )内は略称
広島大学が6つ、東北大学と九州大学がそれぞれ3つのSDGで日本最高位となった。
日本からのトップ200入りが最も多かったのは、SDG14「海の豊かさを守ろう」で19校だった。
最も順位が高いのは、SDG3(保健)4位の藤田医科大学。SDG17を除くと、SDG3は参加校数(72校)、トップ100(9校)とも日本が最多となった。
THEは「最近の英国王立医学協会ジャーナルにも掲載されたように、日本は集団の健康や平均寿命に関する国際的な研究において、常時トップ10圏内を堅持している」と説明。
チーフ・グローバル・アフェアーズ・オフィサーのフィル・ベイティ氏は「SDG3の結果は、数多くの調査において日本が世界で最も健康的な国のトップ10に入っていることや、世界最長寿国の一つであることを考えれば当然であろう。日本の大学にはこの分野における豊富なデータと研究の蓄積があり、世界的にも健康な国という自国のポジションを支えていくと思われる」とコメントしている。