2024.1009

THE世界大学ランキング2025 東京大学は1ランクアップの28位

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3行でわかるこの記事のポイント

●オックスフォード大学が9年連続トップ
●東北大学、大阪大学 は大きくランクアップ
●日本の大学は「研究の質」のスコアが他国を大きく下回る

イギリスの高等教育専門誌「Times Higher EducationTHE)」は日本時間の109日、2025年版の「THE世界大学ランキング」を発表した。トップは9年連続でオックスフォード大学で、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学が続く。日本トップは東京大学で、前年から1ランクアップの28位。続く京都大学は前年と同じ55位 、東北大学は10ランクアップの120位だった。
🔗THEの発表
*日本のランクイン全大学の一覧表を後日、追加掲載します。


2021年以降の新規ランクインは6割がアジアの大学

THE世界大学ランキング2025」では、133の国・地域の2860校(前年の2674校から6.9%増)からデータが提出された。この中から115の国・地域の2092校(前年の1907校から9.7%増)がランクイン。ランクイン校数が2000を超えるのは初めてで、前年からの伸び率は過去5年間で最大だった。 

トップ10の顔ぶれは前年と同じで、アメリカ7校、イギリス3校。4ランク下がり6位になったスタンフォード大学を除き、いずれも2ランク以内の変動だった。

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ランクイン校数最多はアメリカの174校で、日本は119校で2番目に多い。インドとイギリスはそれぞれ107校、中国94校と続く。 

トップ200のランクイン校数を4年前(2021年版)と比べると、アメリカは59校から55校に減少。イギリスも4校減で25校、ドイツは1校減の20校だった。増えたのは中国(6校増の13校)と日本(3校増の5校)だけだ。

2021年版以降、新たにランキングに加わった210大学のうち60%をアジアが占めている。

一橋大学など3校が日本から新たにランクイン

日本の大学について見ていく。

ランクインした119校中、トップ501校、トップ1002校、トップ2005校、トップ50010校となっている。

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国内トップ5のうち東京大学(29位→28位)、東北大学(130位タイ→120位)、大阪大学(175位タイ→162位)は順位を上げた。トップ5以外の114校のうち順位を上げたのは2校で、17校は下げた。 

一橋大学(1201-1500バンド)、岡山理科大学(1501+)、東京工科大学(1501+)の3校が新たにランクインした。 

201~1000位にランクインした日本の大学は、2019年版49校、2022年版25校、2024年版18校、今回は14校と、減少傾向にある。THEはその最大の要因として「研究の質」分野のスコアが他国を大きく下回っていることを挙げる。一方で、「学生に対する教員比率」「特許に引用された論文数」の指標では「良い結果を出している」と説明。 

THEのチーフ・グローバル・アフェアーズ・オフィサーのフィル・ベイティ氏のコメントは以下の通り。 

日本の上位5校は着実に順位を上げている。アジア、とりわけ中国、香港、韓国など東アジア諸国との競争激化を考えると、見事な成果と言える。

10兆円規模のファンドで大学を支援する『国際卓越研究大学』は素晴らしい取り組みだ。現時点で唯一の支援対象となっている東北大学は野心的な目標を掲げていて、今後のランキング結果が注目される。

その一方で、日本のトップ大学以外は研究の質や学生数の減少など、複数の課題に直面している。我々の包括的で厳密なデータによると、日本の高等教育が今後、確実に進展するためには、抜本的な政策変更が必要だと言える。

●5分野17指標でスコアを算出

「THE世界大学ランキング2025」では下表の通り、5分野17指標で大学をランク付けしている。

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