THE世界大学ランキング2026―東大は26位、京大は61位
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2025.1014
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3行でわかるこの記事のポイント
●1位は10年連続でオックスフォード大学
●東北大学、順天堂大学は過去最高位
●アジアの台頭とアメリカの失速が浮き彫りに
イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」はこのほど、2026年版の「THE世界大学ランキング」を発表した。オックスフォード大学が10年連続トップで、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学が続く。日本のトップは東京大学で、前年から2ランクアップの26位。京都大学(61位)、東北大学(103位タイ)がこれに続く。
🔗THEの発表
「THE世界大学ランキング2026」では、115の国と地域から過去最多となる2191大学がランク入りした。
トップ10(アメリカ7校、イギリス3校)の顔ぶれは前年と同じで、半分強で順位が入れ替わった。前年3位のハーバード大学が5位タイに下がり、前年4位のプリンストン大学と5位のケンブリッジ大学が3位タイに上がった。
今回もアジアの台頭が目立つ。全ランクイン校数2191校のうち929校がアジア36の国・地域の大学だ。
アジアのトップは中国の清華大学で、今回も12位を堅持。同国2位の北京大学も前年と同じ13位だった。
中国は前年から3校多い97大学がランクインし、そのうち20%以上が順位を上げ、18校は過去最高位だった。
トップ40入りは5校、トップ200入りは3年連続で13校だった。
シンガポール国立大学は前年と同じ17位をキープ。
同大学と清華大学、北京大学は2012年版から10年前後にわたり順位を上げてきたが、今回はいずれも前年と同じ順位。ランキング上位校の得点差が小さく競争が激しいため、ランクアップは困難な状況になっている。
香港は新顔の香港教育大学(195位タイ)、嶺南大学 (301-350位)が加わり、8大学がランク入り。国内トップの香港大学(35位→33位)をはじめ、すべてが順位を上げた。トップ200入りは過去最多の6大学。教育分野の評価、中でも「学士号取得者に対する博士号取得者比率」、そして「学生に対する教員比率」によって支えられている。
韓国はランクイン校数こそ前年より2校減って41校だが、トップ100入りは2校増えて4校で過去最多となった。
国内トップのソウル国立大学が62位タイから58位タイに上がったのをはじめ、トップ200入りした大学はすべてランクアップ。うち5校は過去最高位となった。
研究の質分野の4つの指標すべてに加えて教育分野が大きく改善し、平均スコアは1.04 ポイント上昇した。
インドのランクイン校数128大学はアメリカに次いで2番目に多い。新たにランクインしたのは27校で過去最多。国内最上位はインド理科大学院の201-250位だが、いくつかの大学は着実に順位を上げ、トップ200をうかがう勢いだ。
背景には「研究の影響力」と「研究の卓越性」の高まり、そして「教員に対する博士号取得者比率」の向上につながる好ましい人口動態があり、これらが「研究生産性」スコアの向上につながった。
これら台頭するアジア各国と対照的なのがアメリカだ。トップ10入り7校はキープしたが、トップ500入りは102校で過去最少。アメリカにおいて、自学で過去最低の順位に下がった大学は25校あり、この数はアメリカにとってこれまでで最も多い。
日本の大学について見ていく。
日本からは115大学がランク入りした。
東京大学(26位)に次ぐ国内2位は京都大学で、前年の55位から61位に。続く東北大学は120位から103位タイにランクアップ。
日本の大学は平均で0.5ポイント以上スコアを伸ばし、研究の質に関するすべての指標で改善があった。トップ50入りが1校、トップ100は2校、トップ200は4校、トップ500は9校となっている。
東北大学、順天堂大学(トップ800→トップ600)など、過去最高位となった大学も。しかし、全体で見るとランクアップした大学は4%にとどまる。
THEのチーフ・グローバル・アフェアーズ・オフィサーであるフィル・ベイティ氏のコメント
今年のランキングは、研究と高等教育の卓越性における勢力の均衡の支配が、欧米の名門大学から台頭する東アジアの大学に移りつつある傾向を浮き彫りにしている。アメリカと西ヨーロッパの多くの国が大きく後退する一方、中国を先頭にアジア諸国は順位を着実に上げ続けている。研究資金の確保や国際的人材の獲得が西側諸国で停滞し続ける中、 この傾向は今後も続くだろう。
「THE世界大学ランキング2026」では下表の通り、5分野17指標で大学をランク付けしている。