2025.0424

THEアジア大学ランキング2025―清華大が7年連続1位、トップ10の半数が中国勢

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3行でわかるこの記事のポイント

●東大5位、京大13位で前年と変わらず
●ランクイン校は日本が119校で最多、14校がトップ200入り
●中国は高水準の資金投入による高等教育政策で「圧倒的な存在感」

イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」はこのほど、「THEアジア大学ランキング2025」を発表した。清華大学が7年連続でトップ、2位の北京大学など、中国がトップ10の半数を占めた。東京大学と京都大学はそれぞれ前年と同じ5位と13位。ランクイン校数は日本が最多の119校だった。
*後日、日本の全ランクイン大学の一覧を追加予定


35の国・地域から853校がランクイン

13回目となる「THEアジア大学ランキング2025」には、35の国・地域から853校がランクインした(前年は31の国・地域から739校)。

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中国はトップの清華大学、2位の北京大学(前年も2位)のほか、復旦大学と浙江大学がそれぞれ1つ順位を上げて7位と8位、上海交通大学は3つ順位を下げて10位。
他のトップ10入りはシンガポール2校、香港2校、日本1校となった。

ランクイン校全体で見ると日本が119校で最多、インド107校、中国94校と続く。

清華大の教員1人あたり研究収入はシンガポール国立大などを大きく上回る

ランクインした中国の94校のうち28校が前年から順位を上げ、25校は過去最高の成績をおさめた。
THEは2024年から、世界大学ランキングとアジア大学ランキングに「研究の質」と特許に関する指標を追加。
中国は、戦略的な方向性と高水準の資金投入で推進する「双一流」構想(高等教育の卓越性向上イニシアチブ)の成果が新たな指標によって可視化され、今回のランキングで「圧倒的な存在感」(THE)を示した。

THEの分析によると、「双一流」構想の対象大学は、2023年以前は中国の他の大学と同様のペースで順位が向上していたが、それ以降、他よりはるかに速いペースで向上。THE主任データサイエンティストのビリー・ウォン氏は「2022年まではほぼ一定だった2つのグループ(構想の対象大学とそれ以外の大学)の順位向上スピードの差は、2024年までにほぼ2倍になった」と説明する。

中国では資金投入の積極的な取り組みが実を結んでいる。2022年の清華大学の研究収入は教員1人あたり95万5000ドルで、ソウル大学の76万2000ドル、シンガポール国立大学の73万5000ドルを大きく上回る。

香港、韓国も躍進、インドはイニシアチブ政策の効果が見えず

香港も躍進した。香港大学が6位をキープしたほか、香港中文大学が1つ順位を上げて9位。6校がランクインしたが、香港浸会大学が前年の63位から50位に上がり、2017年以来初めて、全ランクイン校が50位以内となった。
 
韓国からはトップ20に4校がランクインし、2022年以来最高の成績をおさめた。最上位はソウル大学校の15位(前年14位)で、韓国科学技術院(KAIST)の17位(前年18位)と続く。全体では新たな4校を含め43校がランクインした。

インドはランクイン校数が日本に次いで2位と存在感を示したが、全体的に見ると評価は分かれそうだ。中国と同様、2018年に独自の卓越性向上イニシアチブ「Institutes of Eminence(IoE:優秀機関)」のスキームを導入したが、THEは「今回のランキングに大きな影響を与えているようには見えない」としている。
14校が順位を上げる一方、34校は順位を下げ、最高位のインド理科大学院大学は前年から6ランクダウンの38位タイ。ランクインしたIoE 5校のうち順位を上げたのは1校だけで、2校はランクダウン、2校は同じ順位だった。

日本からは14大学がトップ200に入った。

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その中で27位タイの大阪大学(前年28位)が順位を上げた。