2026.0709

専門学校で学ぶ留学生が初の10万人超え、キャリア支援まで見据えた受け入れが重要に

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3行でわかるこの記事のポイント

●専門学校では前年から30%近く増え、規模で大学を上回る
●「日本語教育機関」と合わせ25万人、全体の6割を占める
●日本での就職希望に応えるべく教育の質を重視した取り組みを

日本学生支援機構(JASSO)がこのほど公表した留学生受け入れ状況調査によると、2025年度に日本で学ぶ外国人留学生は初めて40万人を超えた。専門学校でも初めて10万人を超え、大学院や大学を上回る規模に。「日本語教育機関」と合わせ全体の約6割を占める。専門学校は今後、教育の質を重視した日本語学校との連携によって留学生受け入れを図り、日本での就職や定着の支援にも取り組むことが期待されている。


留学生総数は前年から21%増の約40万8000人

JASSOは先ごろ、「🔗2025年度外国人留学生在籍状況調査結果」を公表した。それによると、同年5月1日現在の留学生数は40万8069人で、前年から7万1361人(21.2%)増えた。初めて40万人を超え、政府が2023年から掲げる「2033年までに外国人留学生40万人を受け入れる」という目標を前倒しで達成した形だ。
コロナ禍による入国制限の解消に加え、日本での進学や就職を目的とする留学需要が拡大していることが背景にある。

留学生の増加を牽引しているのが専門学校と日本語学校だ。
学校種別の留学生数を見ると、「日本語教育機関」は14万174人、専門学校は10万6829人。対前年比は、「日本語教育機関」が23.5%増、専門学校が28.5%増と、大学(9万2442人、5.4%増)、大学院(6万13人、3.0%増)を大きく上回る伸びを示している。
専門学校と「日本語教育機関」を合わせると約25万人に上り、全体の約6割を占める。
こうした状況は、「日本語学校→専門学校→日本での就職」という進路の拡大を反映している。

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ネパール、ミャンマーからの受け入れが急増

留学生の送り出し国・地域にも変化が見られる。中国(13万1097人、5.8%増)が引き続き最多だが、近年はネパールやミャンマーの増加が目立つ。ネパールは前年比35.3%増の10万239人、ミャンマーは43.6%増の2万9413人。
従来は中国・ベトナムが中心だったが、南アジアや東南アジアの中で留学生市場が広がっていることがうかがえる。 

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こうした送り出し国・地域の多様化は、専門学校の募集戦略や学生支援にも影響する。文化的背景や日本語能力のレベルが異なる留学生が増える中、従来以上にきめ細かな対応が求められている。

留学生の半数超が日本での就職を希望

留学生増加の背景には、日本での就職志向の高まりがある。
🔗文部科学省が公表している資料によると、2023年度に日本の高等教育機関を卒業・修了した外国人留学生4万3968人(国内進学者を除く)のうち、国内企業等に就職したのは2万2688人で、国内就職率は51.6%だった。その規模は、コロナ禍等の影響を除けば、ほぼ継続的に増大している。 
JASSOの2023年度調査では、日本国内での就職を希望する留学生は54.4%に達している。

その中で専門学校が選ばれるのは、実践的なスキルを短期間で身につけられることに加え、企業との接点が多く、就職支援が充実しているためだろう。専門知識と職業能力を重視する日本企業の需要とも合致している。

政府も、専門学校を卒業した外国人人材に日本国内での活躍の機会を提供すべく、制度的な後押しをしている。
文部科学省は2023年度から「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」認定制度を開始し、留学生のキャリア形成や日本社会への理解の促進に資する教育を行う専門学校の学科を認定している。
これを受け、出入国在留管理庁は2024年、同プログラム認定課程修了者について、就労系在留資格への変更時に柔軟な判断をすべく運用を見直した。認定課程で学んだ留学生が日本で就職しやすくするための環境整備だ。

国は認定制度で日本語学校の質保証を強化

一方で、留学生の急増は新たな課題も生み出している。
専門学校の留学生募集において、日本語学校は最大の送り出し元である。しかし過去には、一部の日本語学校で在籍管理や教育内容に関する問題が表面化。
こうした状況を受け、国は2024年度から日本語教育機関認定制度を導入し、日本語学校の質保証を強化している。認定にあたっては、教育課程や教員体制に加え、学習支援や在籍管理、在留継続支援の体制なども審査対象となる。

専門学校にとっては、学習意欲や日本語力の高い留学生を育成して送り出す日本語学校との連携を強化していくことが重要となる。今後は日本語学校の教育の質が、専門学校の教育成果や就職実績にも影響すると考えられる。

🔗文部科学省が公表している資料によると、留学生の就職活動における課題として、日本の就職活動への理解不足、日本語力、日本企業に関する知識不足などが挙げられている。

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企業側も、留学生の日本語能力や日本企業での働き方への理解不足を課題として認識している。

こうした状況をふまえ、国の政策は、留学生受け入れ人数の拡大だけでなく、受け入れ機関の教育の質やキャリア形成の充実へと重点を移しつつある。
専門学校にとっても、学生確保という数のみの発想から脱し、卒業・就職・定着までを見据えた受け入れ体制の整備と、日本語学校との教育連携の強化が求められている。学生一人ひとりの成長を支える支援体制が、専門学校の競争力を左右すると言えそうだ。

文・枝廣玲志(専門学校支援部)