2026.0630

THEが「サステナビリティ・インパクト・レーティング」(旧インパクトランキング)を発表、北大は7位タイ

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3行でわかるこの記事のポイント

●1位は5年ぶり返り咲きの英マンチェスター大学
●マレーシア2校など、トップ10の半数がアジア勢
●日本からは慶應、立命館など30校がランクイン

イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education」はこのほど、「THEサステナビリティ・インパクト・レーティング2026」を発表した。前身の「THEインパクトランキング」時代から数えて8回目。総合トップはイギリスのマンチェスター大学で、4年連続トップだった西シドニー大学は3位に。北海道大学は7位タイで、前回の44位タイから躍進した。

🔗THEの発表


自学の強みに合った目標を選んでエントリー

「THEサステナビリティ・インパクト・レーティング」は気候変動対策やジェンダーの平等、健康と福祉など、国連がSDGsで掲げる17の各目標について、研究、管理責任、アウトリーチ(現場における実践)、教育という広範な4分野にわたる大学の取り組みをランク付けする。
サステナビリティにおける大学の貢献度を示すこのランキングは、2019年に「THEインパクトランキング」としてスタートし、今回から名称が変わった。研究力重視の従来の大学ランキングとは大きく異なる顔ぶれが、毎回注目を集めている。

大学は自学の強みに合った目標を選んでエントリーできる。総合ランキングに参加する場合は「SDG17(パートナーシップ)」が必須項目で、これに加えて3つ以上のSDGについてデータを提出し、「SDG17」以外でスコアの高い3つがランキングに反映される。
SDG別のランキングもあり、こちらに参加する場合は自学が強みとする分野のSDGを1つ以上選び、データを提出する。

マンチェスター大学は唯一、トップ10入りを継続

今回は116の国・地域から1646大学が参加した。
トップはイギリスのマンチェスター大学で、前年の2位から上がった。2位はオーストラリアのグリフィス大学、4年連続トップだった西シドニー大学は3位。
日本トップの北海道大学は前年の44位タイから7位タイに躍進。同大学を含めアジアからは、マレーシア科学大学(5位)、韓国の漢陽大学校(6位)、マレーシア国民大学(7位タイ)、国立台湾大学(10位タイ)の計5校がランクイン。前年の2校から大きく増えた。
ヨーロッパ大陸から唯一トップ10入りしたフランスのInstitut Agroは前年の23位タイから9位と大きく順位を上げ、初めてここに名を連ねた。

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マンチェスター大学はこのランキングの開始以来、毎年総合トップ10入りしてきた唯一の大学で、2021年以来2度目のトップ。今回は「SDG 11 住み続けられるまちづくりを」「SDG12 つくる責任つかう責任」など5つのSDGで首位(同率を含む)になった。

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同大学で社会的責任・市民参画担当のエグゼクティブ・ディレクターを務めるジュリアン・スカイム氏は「公共の利益という考え方は本学のアイデンティティの核心であり、DNAの一部。10年以上前から社会的責任を活動の核に据えてきた。このランキングは大学に、『何が得意か』だけでなく『何のために存在するのか』を考えるよう促している』と話す。

研究実績のハードルがなく地域貢献で存在感を示せる

「サステナビリティ・インパクト・レーティング」ではこれまで同様、アジア勢が健闘。今回、総合ランクキング入りした大学の半数以上がアジア圏で、最多はフィリピンの160校、次いでインドの110校となっている。
フィリピンを含むASEANに絞って見ても、ランキング参加1646校中352校を占める。ASEANから、今回の総合トップ200に25校がランクインしたのに対し、直近の世界大学ランキングのトップ200には1校もランクインしていない。このことからも、「サステナビリティ・インパクト・レーティング」が従来のランキングとは異なる角度から大学に光を当てていることがわかる。

アテネオ・デ・マニラ大学の品質管理オフィスで基準・認定コーディネーターを務めるアルマ・マリア・サルバドール氏は「このランキングには研究実績のハードルがなく、大学はそれぞれの強みである地域貢献活動で存在感を示すことができる」と解説。
総合19位にランクインしたタイのチュラロンコン大学の歯学部で研究・イノベーション担当副学部長を務めるタントリラ・ポーンタヴィートゥス氏は「ASEAN諸国の大学によるサステナビリティ関連の取り組みは、気候変動や急速な都市化の最前線で鍛え上げられた。われわれは"節約型イノベーション"に長け、地域社会の強靭性を高めるための低コストでインパクトの大きい解決策を見出すことに秀でている」と話す。

飢餓問題や陸の豊かさに関わるSDGが北大の強み

日本からは30校が総合ランキングに入った。7位タイの北海道大学、広島大学77位、九州大学101-200位が日本トップ3。

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🔗日本の大学の総合ランキング表


北海道大学は10位だった2022年以来のトップ10復帰となった。SDG別ランキングでは「SDG2 飢餓をゼロに」(2位)、「SDG15 陸の豊かさも守ろう」(18位タイ)などが強みとなっている。

私立は慶應義塾大学(201-300位)、立命館大学(同)、早稲田大学(301-400位)など14校が総合ランキングに入った。

🔗日本の大学のSDG別ランキング表