国公立大学2026年度入試の総合・学校推薦の募集人員は全体の25.3%
学生募集・高大接続
2025.1028
学生募集・高大接続
3行でわかるこの記事のポイント
●一般選抜含む全募集人員は国公立合わせて13万813人
●調査対象の国立大学81校中75校が総合型選抜を実施
●国公立合わせて38大学で理工系女子枠を設定
文部科学省はこのほど、2026年度国公立大学入学者選抜の概要を発表した。各大学が2025年7月末までに公表した入学者選抜要項を基に集計したものだ。一般選抜での受け入れは国立が78%、公立が66%まで低下している。
🔗文科省の発表
*表・グラフは文科省の資料から引用
2025年度入試の調査から、それまで独立した選抜区分になっていた「帰国生徒選抜」「社会人選抜」等を「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」のいずれかに組み入れ、この3区分でまとめることになった。しかし、この変更について周知や大学側の対応が間に合わず、2025年度入試については「帰国生徒選抜」等を一般選抜に入れる大学が相当数あった。
今回、文科省があらためて周知を図った結果、これらを総合型選抜に移す大学が多かったという。結果的に総合型選抜の実施数や募集人員が増え、前年度までとの単純な比較ができないことに注意する必要がある。
募集人員は、大学院大学を除く国立大学81校で9万6344人、公立大学98 校で3万4469人。国公立合わせて13万813人で、2025年度より240人増えた。
選抜区分ごとの内訳を見ると、国立大学は一般選抜7万5050人(募集人員の77.9%)、総合型選抜8051人(8.4%)、学校推薦型選抜1万3243人(13.7%)。公立大学は一般選抜2万2718人(65.9%)、総合型選抜2012人(5.8%)、学校推薦型選抜9739人(28.3%)。
総合型選抜と学校推薦型選抜の募集人員の合計が全体に占める割合は、国立大学が22.1%、公立大学は34.1%。国公立合わせた総合型選抜と学校推薦型選抜の募集人員合計の割合は25.3%となる。

国立大学81校415学部のうち、2026年度に総合型選抜を実施するのは75校387学部、学校推薦型選抜を実施するのは76校303学部。
公立大学98校225学部のうち、2026年度に総合型選抜を実施するのは86校190学部、学校推薦型選抜を実施するのは97校218学部。
「多様な背景を持った者を対象とする選抜」として、選抜区分ごとの理工系女子枠の設定状況もまとめられた。国立・公立とも、一般選抜での女子枠設定はない。
国立大学は2025年度、総合型選抜で10大学14学部、学校推薦型選抜では21大学23学部だったのが、2026年度はそれぞれ15大学20学部、25大学27学部に拡大。
公立大学は、総合型選抜では2025年度、2026年度とも女子枠の設定はない。学校推薦型選抜では前年度の3大学3学部から4大学5学部に拡大する。
いずれかの選抜区分で女子枠を設ける国立・公立大学を合わせると、前年度から8大学増えて38大学49学部となる。
京都大学は理学部理学科の総合型選抜で15人、工学部5学科の学校推薦型選抜で計24人の枠を新設。
大阪大学は基礎工学部4学科の学校推薦型選抜で計20人の枠を新設する。
広島大学はホームページで、入学者全体に占める女子の割合が40%程度であるのに対し、理学部、工学部、情報科学部は15%程度で「著しい偏りがある」と説明。2026年度からこれら3学部で計37人の女子枠を新設し、「女子枠で入学した学生が地域や世界で活躍することができるよう、多様性を生かした教育プログラムのさらなる充実を図ってまいります」としている。
ほかに岩手大学、山形大学、埼玉大学、愛媛大学、公立小松大学でも新たに女子枠が設けられる。