2023.1127

〈学生募集をDXで動かす~接触者育成のシナリオ〉vol.10
LINE活用に関するお悩みはこう解決!

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3行でわかるこの記事のポイント

●大学への関心が高まったタイミングを逃さずアカウント登録を促す
●紙DMやメールと使い分け、発信効果を最大化
●配信に対する反応で精査し、アクティブなリストに

学生募集での活用が当たり前になったLINEに関わるよくある悩みを取り上げ、解決法について考えます。


高校生が情報収集に使うメディアが多様化する中、LINEは今や必須のコミュニケーションツールとなっています。情報を広く確実にリーチさせるため、学生募集にも戦略的に活用したいところですが、成功している大学は多いとは言えないのが実情。
では、LINE活用をめぐる大学の悩みはどうやって解決できるのでしょうか。進研アドの荒牧耕平MA事業部長が解説します。

お悩み1 アカウントを集めきれない

資料請求時の取得が増えてきたメールアドレスと違い、LINEアカウントは各種フォームで必須入力にしにくい。かと言って、任意入力にするとなかなか登録してもらえない―。そんな悩みはありませんか?

 👉解決のヒント
MA(マーケティング・オートメーション)ツールを使えば、自学のサイトを訪問した高校生にイベント参加や受験生サイトへの登録を勧めるポップアップを表示し、フォームからメールアドレスと共にLINEアカウントの登録を促すことができます。

サイトを見に来たりイベントに申し込んだりする時にはその大学に対する関心が高まっていますから、そのタイミングを逃さずアプローチすることが大事。サイトの当該ページの情報と関連づけたメッセージをポップアップに載せるなどすれば、「これからも自分が欲しい情報を得られそう」という期待が高まり、登録にメリットを感じてもらえるはずです。

 👉大学の実践例はこちら

お悩み2 アカウントを活用できない

せっかくLINEアカウントを多数保有していても、マンパワーが足りないために、「情報発信に活用できず眠らせたまま」「年に1回オープンキャンパスのお知らせを一斉発信するだけ」という大学も多いようです。コンテンツ作りが追い付かないという声も聞かれます。

 👉解決のヒント
LINE連携が可能なMAツールを使えば、リストを一元化してメールとLINE、それぞれの配信が簡単にできます。

MAツールによっては、一斉配信だけではなく「資料請求の半月後」「イベント予約をしたタイミングで」「オープンキャンパス参加後」など、接触者の行動に合わせた配信が可能。この機能を活用すると、単に届くというだけではなく、読まれやすいLINEを届けることができます。

毎回新しいコンテンツを作る必要はありません。長文のLINEを送るのではなく、すでにあるサイトのページや動画に誘導するなど、まずは既存のリソースを最大限活用することを考えましょう。

 👉大学の実践例はこちら

お悩み3 他のメディアと使い分けられない。

DMで届けるオープンキャンパス告知や入試情報をそのままメールとLINEでも発信、という大学がまだ多数派です。もちろん、重要な情報はさまざまなメディアを駆使して確実に届ける必要がありますが、メディアの特性に応じてコンテンツを変えることによって、発信の効果を上げたいところです。

 👉解決のヒント
たとえば、メールではイベントの全体像など、基本的な情報を発信。一方、気になる大学を登録することが多いLINEではイベントのおススメ企画に焦点を絞って紹介するなど、特別感のある情報を発信するといった使い分けが考えられます。
さらに、保護者の目にも触れやすい紙DMではキャリア支援の手厚さを訴求するなど、うまく使い分けを。

MAツールで広報活動をDX化することによってメール、LINEとも、学年やエリア、興味がある学部・学科など、一人ひとりの特性や興味・関心に合わせたコンテンツを自動でタイムリーに送ることもできます。

 👉大学の実践例はこちら

お悩み4 アカウントのクリーニングができない。

LINEで情報発信しても反応がつかめないと、残すべきアカウントと削除すべきアカウントを精査できません。そのため、すでに高校生ではない人も含んだまま、保有しているすべてのアカウント宛に延々と発信を続けることに。
ある大学の募集広報担当者は「明らかに反応がない人を分ける方法もない以上、相手がブロックしてくれるのを待つしかない」ともらします。

20236月にはLINE公式アカウントの配信料が値上げされました。広報予算の無駄を省くためにも、効果が期待できる対象に絞り込んで配信の費用対効果を上げたいところです。

 👉解決のヒント
MAツールを使えば、アクティブなLINEアカウントをあぶり出すことができます。配信のたびに、既読になったアカウント、ランディングページに遷移したアカウントを識別。次の配信時にこれらの反応によって対象を絞り込むことが可能です。

既読になると同時に、あるいはその30分後や24時間後といった任意のタイミングで次の配信も設定できるので、高校生に「自分宛に送られたメッセージ」と感じてもらえます。
前回、既読になったか否かでコンテンツを送り分けることも可能です。

こうした施策を重ね、全く反応がないアカウントを削除すれば、アクティブなリストを維持できるわけです。

 👉参考記事はこちら

高校生にとって必須のコミュニケーションツール・LINEを戦略的に活用することによって、学生募集DXを深化させることができるはずです。

 *〈学生募集をDXで動かす~接触者育成のシナリオ〉シリーズ全記事はこちら
*現在、高等教育機関に対し、複数の事業者が学生募集のデジタルツールを提供しています。
進研アドが提供する学生募集MAツール「infoCloud Digital Marketing」の紹介はこちら


〈今回のナビゲーター〉

荒牧耕平(あらまき・こうへい)
MA事業部長

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進研アド入社以来、首都圏、関西、北陸、九州の各エリアの大学・短大の営業担当、部門責任者としてお客様の課題解決に従事。高大接続のベストマッチングを実現すべく、2023年から事業責任者として、MA(マーケティング・オートメーション)事業部を立ち上げ、デジタルチャネルを活用した効果的、効率的な学生募集マーケティングの実践と、その仕組みを事業として研究、提供しています。