集中的学修の教育プログラム構築で名古屋商科大など3校を選定-文科省
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2021.1019
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3行でわかるこの記事のポイント
●教学マネジメントの確立を促す事業で選定し、支援
●科目の精選、同時履修科目の絞り込み、科目の週複数回開講などを評価
●千葉大学は国際教養学部の完全6ターム制を全学に拡大
文部科学省はこのほど、「知識集約型社会を支える人材育成事業」の2021年度のテーマ「インテンシブ教育」について、選定結果を発表した。6件の申請の中から千葉大学、早稲田大学、名古屋商科大学の3大学が選ばれ、「集中的で密度の濃い学修」の実現、全学への拡大に挑む。
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2020年度に始まった「知識集約型社会を支える人材育成事業」のねらいは、教学マネジメントの確立や管理運営体制の強化、社会との双方向の関係構築によって全学横断的な改善サイクルの仕組みをつくり、社会変化に柔軟に対応できる幅広い教養と深い専門性を兼ね備えた人材を育成することだ。教育プログラムの内容に加え、教学マネジメント体制などの仕組みも審査することによって、支援期間終了後も継続的にプログラムをブラッシュアップして自走できるよう促す。
初年度の「メニュー1 文理横断・学修の幅を広げる」「メニュー2 出る杭を引き出す」に続いて、2021年度は「メニュー3 インテンシブ教育」のテーマで教育プログラムを募集。多くの大学で細分化され、肥大化しがちな授業科目を精選・統合し、学生が同時に履修する科目を絞り込む一方、一つの科目を週に複数回開講して学修の質と密度を上げ、力をつけさせることを目的としている。2021年度の予算は5億円で、そのうち1.5億円が新規の「メニュー3」の支援にあてられる。
国立1校、私立5校の計6校から申請があり、千葉大学、早稲田大学、名古屋商科大学が選ばれた。
千葉大学は2016年度から6ターム制の学事暦を採用。同年に新設された国際教養学部のカリキュラムは、ギャップタームを含む完全ターム制で運営されている。これを全学に拡大し、課題解決型の集約的な学修環境を形成する「インテンシブ・イシュー教育プログラムのモデル展開」事業が、今回の選定対象だ。教員の連携の下、学問領域を横断して学ぶ集約的なタームと、留学やフィールドワーク、インターンシップなど、学外での学びを個々にカスタマイズしやすい「セルフデザインギャップターム」を組み合わせたカリキュラムを実現。学部の垣根を越えた横断的なカリキュラムを全学で展開し、インテンシブ・イシュー(深く、大きな概念で捉えられる現代的な課題)主体の学位プログラムの構築を目指す。
早稲田大学は社会科学部を主体として改革を進める。4学期制の下、「メリハリのある時間割」「早期・集中型のカリキュラム」によるインテンシブ教育を実現して学生の成長を加速させ、「高度な知を集約してグローバルイシューに取り組み、社会変革を共創するソーシャルイノベーター」を育成。4学期制の教育成果を検証し、全学への展開を目ざす考えだ。
名古屋商科大学は、アクティブラーニングの代表的手法である「ケースメソッド」と「フィールドスタディ」を集約的かつ相乗的に組み合わせて開講し、プログラム全体を体系化、密度の濃い体験的な学びを実現することによってコミュニケーション能力やリーダーシップを高める。従来、ケースメソッドを特色としてきた同大学の教育プログラムにフィールドスタディを本格的に導入することによって、産業界や地域社会の要請に応える人材を養成するという。
2022年度は新たな募集は行わず、選定済みの大学を支援するため今年度と同じ5億円の予算を要求している。