2026.0113

私立大学・短大83校が2026年度入試から入学金返還や納付期限後ろ倒し-文科省調査

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3行でわかるこの記事のポイント

●負担軽減への対応状況について、私立大学・短大836校に調査
●「2027年度入試から対応」は39校、「時期未定で対応の方向」は88校
●課題は「入学辞退に伴う入学者確保や合格者の数の決定への影響」

文部科学省は、2026年度入試における入学辞退者への入学金返還等、入学金の負担軽減に関する私立大学の対応状況について調査した結果を、12月下旬に発表した。全体の25%にあたる210校が、2026年度入試やその次の入試からの対応、または「時期は未定だが対応の方向」であると回答。一方で、21%が「現時点で対応する予定はない」と答えた。

🔗調査結果
🔗辞退者への入学金返還など、負担軽減に関する文科省の通知と大学の対応


文科省は2025年6月、私立大学に通知を出し、2026年度入試における入学金の負担軽減を求めた。併願可能な総合型選抜等の実施拡大によって複数の大学に入学金を納める受験生が増えていることをふまえた要請だ。具体的な負担軽減策として、①入学金の返還、②納入期限の複数回設定、③納入期限の後ろ倒し―などを例示した。

11月には対応状況を確認する調査を実施。2026年度入試を実施するすべての私立大学(大学院大学を除く)604 校・私立短大232校の計836校に対応状況をたずね、対象校すべてが回答した。

「ほとんどが専願」「すでに対応済み」も合わせて10%超

入学辞退者が納めた入学金の返還等の負担軽減策について、「対応するか否か検討中」と答えた大学・短大が357校で最も多い。次いで「現時点で対応する予定はない」176校。

専願がほとんどで入学辞退を想定していない(61校)、すでに対応済み(32校)といった趣旨の回答も、合わせて10%以上あった。

一方、新たに何らかの対応をする方向であるのは全体の25%に当たる計210校で、そのうち「2026(令和8)年度入試で対応」が83校、「2027(令和9)年度入試から対応予定」39校、「時期は未定だが対応する方向」88校となっている。

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2026(令和8)年度入試で対応」とした83校の具体的な対応内容(複数回答)は、入学金納付期限の後ろ倒し等(39校)、入学辞退の意思表示の時期によって入学金の全部または一部を返還(25校)、経済的に困難な学生への配慮(17校)、入学金の引き下げ(15校)などとなっている。

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国公立大学との併願者に限定した対応も

2026(令和8)年度入試における対応については、具体例も示された。

 「入学金納付期限の後ろ倒し」の具体例
・一般選抜・共通テスト利用選抜(前期日程)で国公立大学との併願者に限り、国公立大学前期日程の合格発表日以降まで納付期限の延期を可能にする。
・他大学との併願のため期限までの入学金納付が難しい場合、延納願を提出すれば各学部の一般選抜後期日程の最終手続き締切日を納付期限とする。

「入学辞退の意思表示の時期によって入学金の全部または一部を返還」の具体例
・併願可能な入試区分において、331日までに入学辞退をした場合、事務手数料5000 円と振込手数料を差し引いた入学金を返還。
・国公立大学合格者が3月31日までに入学辞退を申し出た場合、入学金の全額を返還。

「入学金引き下げ」の具体例
23万円から15 万円に引き下げ

受験生の追加合格待ち期間の長期化も懸念材料

2027(令和9)年度入試から対応予定」と答えた39校の対応内容(複数回答)は「検討中」が17校で最も多く、入学金の引き下げ(14校)、入学金納付期限の後ろ倒し等(4校)の順となっている。

すべての調査対象校に「負担軽減を進めるうえで最も重視している課題」を聞いたところ、最も多いのは「入学辞退に伴う入学者確保や合格者の数の決定への影響」で464校だった。入学金返還制度等によって歩留まりの予測が難しくなったり、納付期限の後ろ倒しによって入学者数の確定が遅れたりして、定員割れを回避できなくなることが懸念されている。

そのほかには、「受験生への影響(入学金納付期限の後ろ倒し等により辞退者の意思表示が遅れ、追加合格待ち期間が長期化すること等)」(162校)、「入学金収入の減による大学経営上の影響」(127校)などが挙げられた。

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