2024年度入試の全選抜区分中、総合型選抜の割合が1.6ポイント増加
学生募集・高大接続
2025.0602
学生募集・高大接続
3行でわかるこの記事のポイント
●私大では総合型・学校推薦型による入学者が6割台に
●私大の学校推薦型入学者のうち15%が附属校推薦
●学校推薦型の19%で個別学力検査を実施、多くが私大
文部科学省は先ごろ、大学・短大の2024年度入試に関する調査の結果を公表した。総合型選抜が占める割合は選抜区分数、入学者数いずれも上昇。私立大学では、総合型選抜による入学者の割合は前年度より1.7ポイント高い19.2%だった。
*グラフはいずれも文科省の報告書から転載
🔗調査報告書
この調査は文科省が外部機関に委託して実施。全大学・短大の2024年度入試について、同年7月から8月にかけて調べた。対象となった1069校すべてが回答し、8万1372 選抜区分について情報を得た。調査項目の一部については、2023年度入試の調査結果との比較も示されている。
四年制大学全体の選抜方式ごとの割合について前年からの変化を見ると、一般選抜が1.8ポイント減る一方、総合型選抜は1.6ポイント増えた。学校推薦型選抜は0.2ポイント増で前年並み。総合型選抜と学校推薦型選抜を合わせた割合は52.9%だった。
私立大学だけで見ると、総合型選抜は1.5ポイント増え、学校推薦型選抜は0.2ポイント減った。両選抜を合わせた割合は53.3%だった。
入学者ベースで見ると、国立大学と公立大学は変化の大きい選抜方式でも前年から0.4ポイントの増減にとどまった(前年の割合はグラフでは示されていない)。
一方、私立大学は総合型選抜の割合が1.7ポイント増え、一般選抜は0.7ポイント減、学校推薦型選抜は1.1ポイント減だった。総合型+学校推薦型の割合は60.2%で6割台に達した。
私立大学における学校推薦型選抜の内訳を見てみよう。
選抜区分ベースで、指定校推薦は32.0%(グラフでは示されていないが、前年から0.3ポイント増)、附属校推薦は23.1%(0.8ポイント増)。いずれも、入学者を手堅く確保するために多くの私立大学が拡大を図っている選抜だ。
入学者ベースで見ると、指定校推薦が59.2%(0.2ポイント減)で6割近くを占める。附属校推薦は15.1%(0.4ポイント増)だった。
下のグラフが示すように、総合型選抜と学校推薦型選抜で個別学力試験を実施したのは、大部分が私立大学だった(選抜区分ベース)。
これまで、年内入試を含め、2月より前に個別学力試験を行うことは認められていなかった。
2026年度入試では条件付きで、総合型選抜、学校推薦型選抜で2月より前に個別学力試験を実施できるよう🔗ルールを変更する方向となり、大学入学者選抜協議会による検討が進んでいる。
年内入試が年々拡大する中、基礎的な学力を把握したいと考える大学は多く、面接など他の手法と組み合わせて個別学力試験を導入する大学が増えると予想される。
小規模大学などでは問題作成にかかる負担増の懸念から、共同利用できる基礎学⼒試験の開発を求める声もある。学力試験の年内実施について高校の理解が得られるよう、適切な内容で出題することが今後の課題となりそうだ。