2024.0826

企業の新卒採用担当者の76%が「大学1・2年生との接点づくりが必要」-ベネッセi-キャリア調査

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3行でわかるこの記事のポイント

●接点づくりの目的は就活本番前の自社や業界の認知度向上
●会社説明会や職場見学、自己分析や就活指南のイベント等を実施
●大学との連携が多いのは会社説明会、職場見学

🔗ベネッセ i-キャリアがこのほど実施した🔗調査によると、企業の76.1%の新卒採用担当者が「大学 12 年生との接点づくりの必要性」を感じていることがわかった。接点づくりの施策で大学と連携している企業もある。低学年からのキャリア支援に力を入れたいと考える大学にとって、参考になるデータと言えそうだ。


インターンシップ推進に関する三省合意を受けて調査を実施

ベネッセ i-キャリアが実施したのは、「『大学 12 年生向けのキャリア形成』に関する企業担当者の意識・実態調査」。背景には、2022 年6月の文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意による「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(三省合意)の改正がある。
この改正により、大学生等によるキャリア形成支援の取り組みは、5日間未満の「オープンカンパニー(タイプ 1=会社説明会や社員との交流会など、企業や仕事について知る機会の提供)」「キャリア教育(タイプ 2=業種・職種の理解、自己分析をサポートするイベントやセミナーなど、キャリア観醸成の機会の提供)」、5日間以上の「汎用的能力・専門活用型インターンシップ(タイプ 3)」「高度専門型インターンシップ(タイプ 4)」の4つに類型化された。
今回の調査は、低学年対象の施策が含まれるタイプ 1、タイプ 2に対する企業の意識や行動の把握を目的としたものだ。

【調査概要】
期間:2024 7 3 日(水)~7 6 日(土)
対象:大学生の新卒採用に従事していている企業担当者
社員3000 人以上の企業の担当者(79.8%)、3000 人未満の企業の担当者(20.2%)
方法:Web アンケート回答方式
有効回答数:516

今回の調査でわかったことは以下の通り。 

66%の施策で「成果が出ている」

キャリア形成に関わる施策を通じた「大学 12 年生との接点づくり」の必要性を「大いに感じる」は36.4%、「やや感じる」は39.7%で、計76.1%に上る。

接点づくりの必要性を感じる理由は、「就活本番期前に大学生の自社認知度を高めたい」(68.4%)、「就活本番期前に大学生の自業界認知度を高めたい」(55.7%)、「自社にフィットする人材を早期に見つけたい」(51.9%)の順で多かった。

大学 12 年生向けの施策の実施や実施予定について聞いたところ、「実施している」「実施を予定」「実施を検討」の合計は、「タイプ 1:オープンカンパニー」が57.7%、「タイプ 2:キャリア教育」が53.2%で、どちらも半数を超えた。

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これらの具体的な内容についても聞いた。
「タイプ 1:オープンカンパニー」では、「会社説明会」(83.0%)、「職場見学」(70.8%)の順で多く、「タイプ 2:キャリア教育」では、「学生の自己分析をサポートするイベントやセミナー」(36.4%)、「就活のhow to Tipsを指南するイベントやセミナー」(35.6%)が多かった。

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実施(予定)時期は、「タイプ 1:オープンカンパニー」「タイプ 2:キャリア教育」ともに「大学 1 年生の 79 月」が最も多く、それぞれ42.1%38.8%

具体的な施策内容について答えた担当者の9 割が、実施にあたり外部と連携したと回答。大学との連携が多い施策は、「会社説明会」(67.7%)、「職場見学」(50.2%)などだった。

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大学 12年生向けに実施した中で、66.3%の施策において「成果が出ている」と捉えられている。 

低学年からのキャリア形成支援の体系化が必要

この調査結果を受け、ベネッセi-キャリア「dodaキャンパス」の岡本信也編集長は、次のようにコメントしている。

3年次夏のインターンシップから就職活動をスタートさせる学生が増加する中、大学にとっては、1年次からの2年間でどのようにして学生のキャリアオーナーシップを形成するかが重要なテーマになっている。
先般の三省合意によってインターンシップ等の定義が明確に提示され、低学年から社会と接点が持てる機会も増加している。一方で、学生に提供される機会の質にはまだばらつきがあり、キャリア教育観点ではなく、早期の接点づくりのみを目的としたケースも見られる。
大学には、学生のキャリア形成支援に取り組む企業との連携なども含めて、低学年期からの支援を体系化していくことが、今後ますます求められるだろう。