2018.0830

外部検定の高2受検、B2以上なら成績活用可―新共通テスト有識者会議

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3行でわかるこの記事のポイント

●4月に提示された「C1以上」を「B2以上」に変更
●「学びの基礎診断」での受検は外し、経済的困難、離島在住などに限る
●既卒者は前年度の結果も併せて提供可

文部科学省は先ごろ開いた「大学入学共通テスト」検討・準備グループの会合で、共通テストの実施方針(追加分)を了承した。3月の前回会合で示した案の一部を変更。高校2年生の時に受検した「参加試験」の活用を認める例外措置の取得レベルについて、前回示したCEFR(外国語の学習・評価のためのヨーロッパ共通参照枠)のC1からB2に引き下げるとともに、既卒者は前年度の結果も併せて提供できることにした。
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*前回会合の内容はこちら


 会議の名称はこれまでの「『大学入学希望者学力評価テスト(仮称)』検討・準備グループ」から「『大学入学共通テスト』検討・準備グループ」に変更された。この日の会合で了承された「大学入学共通テスト実施方針(追加分)」の概略は以下の通り。「参加試験」とは、GTECやTOEFL、TOEICなど、所定の要件を満たして「大学入試英語成績提供システム」への参加が認められた検定試験を指す。

1.高2で参加試験を受検してCEFRのB2以上の成績を修めた生徒で次の①または②に該当し、高校の学びに支障がないと学校長が認めた場合、上記2年生段階の成績の活用を認める。
①非課税所得世帯であるなど、経済的に困難である。
②離島・へき地等、検定試験の受検が容易でない。

2.高3の4月から12月に海外に住んでいる場合、この期間内に受検した参加試験と同種同名の海外の試験結果を活用できる。

3.病気等のやむを得ない事情で受検できず、特別に配慮すべき生徒については前年度の参加試験の結果を活用できる。

4.既卒者については、入試を受ける年度の4月から12月までの試験結果と併せて、前年度の試験結果を提供できるものとする。

5.各大学は、障害のある受験生について、障害の内容によって不利益が生じないよう試験結果の取り扱いに関して積極的に配慮するよう努める。

 これらのうち前回の「たたき台案」から修正がなかったのは2のみ。1については前回、C1 ではレベルが高すぎて実質的に使われない規定となるなどの異論が続出したことをふまえ、B2以上とした。「高校生のための学びの基礎診断」として受検したものも認めるという要件は、6月末に締め切った基礎診断の認定申請でB2までカバーする検定がなかったため削られた。
 既卒者について「たたき台案」では受検年度のみとしていたが、高校時代の受検結果も含めて提供できるようにした。
 5については異論が出なかったものの、センター試験での扱いのように具体的な配慮事項を示すよう求める意見があった。
 議論に先立ち、成績活用が可能な参加試験受検を高3の2回に限定することについてかねて見直しを求めていた高校側の委員が、あらためて意見を表明。国立大学協会のガイドラインや認定試験の活用をめぐる東京大学の対応に対して疑問を呈する場面もあった。


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