2017.0712

2023年度までは外部検定と共通テストの英語が併存-実施方針決まる

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3行でわかるこの記事のポイント

●「制度激変による混乱の回避を」との声を反映
●受験生の負担に配慮し、大学には多くの外部検定指定を求める
●共通テストと個別の方式とを組み合わせる多面的評価が基本に

文部科学省は、2020年度からスタートする「大学入学共通テスト」について、2023年度までは英語の4技能を評価する外部検定試験と共通テストの英語の試験を併存させることを決めた。混乱の緩和と受験生の負担に配慮した実施方針を7月13日に公表した。同省は、共通テストは学力の3要素すべてを評価できるものではないとし、各大学は個別試験等、他の方式との組み合わせによって合否判定をすべきとの考えだ。

*7月13日発表の「高大接続改革の実施方針」はこちら
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/07/1388131.htm


●2024年度以降は外部検定利用に一本化

 高校、大学の各関係団体からの意見、および広く募集した意見を反映してまとめた「大学入学共通テスト」の実施方針は、このほど開かれた検討・準備グループの会合で示され、了承された。
 5月に公表された方針案から確定、変更した主な点は次の通り。
① 名称は「大学入学共通テスト」とする。
② 英語外部検定試験の実施・活用状況等を検証しつつ、2023年度までは共通テストの英語の試験も実施する。
③ 外部検定を活用する場合は、受験生の負担に配慮して、できるだけ多くの試験を対象とするよう大学に求める。
④ 外部検定試験の活用によって共通テストの英語の試験を受験しない場合もあることをふまえ、同テストの検定料について所要の検討を行う。
 5月の方針案では、外部検定試験への全面移行について「2020年度のスタート時から」という案と、「新学習指導要領導入後の2024年度以降(それまではセンターが作問する2技能の試験も併存させる)」という案、両方が示されていた。制度の大幅な変更によって高校生や高校、大学の間で混乱が生じるとの意見が多く寄せられたことをふまえ、移行期間を設けることにした。
 外部検定の利用による安定的な入試の実施を図るべく、移行期間中の実施・活用状況等を検証し、課題解決に努めるという。この期間は、各大学の判断で共通テストと外部検定のいずれか、または両方を選択利用できる。2024年度以降は外部検定に一本化する方針だ。
 外部検定の利用によって受験生には、学習面の負担と経済的負担が生じる。併願校同士が異なる外部検定を指定している場合は複数を受ける必要がある。大学にできるだけ多くの試験を対象とするよう求めるのは、この点への配慮だ。経済的負担については、各実施主体に対し、大学入試のための受検者全体に対する検定料の抑制に加え、低所得者世帯に対する割り引き、減免等の配慮を求めるという。加えて、英語の試験を受けない場合の共通テストの検定料割り引き制度等についても検討する方向だ。外部検定については、早ければ今秋にも認定できるよう検討を急ぐ。

●「共通テストが1点刻みの選抜に活用されるのは困る」

 検討・準備グループの会合では、大学入学共通テストのみでの合否判定は適切ではないという基本的な考え方が確認された。共通テストでは学力の3要素のうち、主に知識・技能、思考力・判断力・表現力を評価し、主体性等については各大学の個別試験で評価するという考え方で、センター試験のみで合否判定する現行のような選考は見直しを求められそうだ。
 委員からは「新しい共通テストが、1点刻みの選抜という誤った形で活用されるのは困る」など、本来の趣旨と異なる活用を懸念する意見が出た。一方で、「私立大学には一律の義務化はマイナスで、ある程度の自由度を残すべき」との声も。まずは、学力の3要素を評価する形で改善される調査書の活用を検討することが、多くの大学にとって現実的な選択肢となりそうだ。

*関連記事はこちら
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