2026.0601

年内入試で面接を必須化、学力評価型はバランスの取れた配点で

大学(募集・接続・教学)

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3行でわかるこの記事のポイント

●指定校推薦は除外
●すでに実施している選抜は2年間、対応を猶予
●「一般選抜の前倒し」を封じ、多面的・総合的評価を実質化

2027年度の「大学入学者選抜実施要項」が公表され、総合型選抜と学校推薦型選抜で原則として面接が必須となった。多面的・総合的評価を実質化することがねらいだ。指定校推薦は対象から除外される。すでに実施している選抜については2年間の猶予期間が設けられ、学力評価型をはじめ年内入試で面接を実施していない大学は、遅くとも2029年度入試から見直しが必要となる。

🔗令和9年度大学入学者選抜実施要項 
🔗令和9年度大学入学者選抜実施要項及び大学院入学者選抜実施要項について(通知) 
🔗大学入学者選抜実施要項の遵守についてのお願い(大学入学者選抜協議会)
🔗学力評価型年内入試で面接必須化を検討、多面的評価の実質化へ|Between情報サイト 


オンラインによる面接も実施可能

小論文等を加えて2025年度に実施された学力評価型の年内入試で、一部の大学が学力試験の配点割合を高くしたことを全国高等学校長協会が問題視。大学入学者選抜協議会(以下、「協議会」)が総合型選抜、学校推薦型選抜の本来の理念に立ち返って議論し、面接の必須化を決めた。

新たに設けられた面接必須化のルールは以下の通り。
①   総合型選抜と学校推薦型選抜では、必ず面接を実施
②   「面接」にはディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む
③   オンラインによる実施も可能
④   指定校推薦など、高校との緊密な連携により意欲や適性等の丁寧なマッチングが図られる非公募型・専願の学校推薦型選抜は対象から除外
⑤   2026年度入試で実施した選抜については2年間の猶予期間を設け、2029年度入試から面接を必須とする

「協議会の『お願い』文書とあわせて要項を読み、趣旨の理解を」

協議会では、一部委員から「抜け道を作らないよう配点割合の目安など、具体的な数字まで示すべきだ」との意見もあった。最終的に、要項では「面接による評価を必ず行う」という表現になり、それ以上の具体的な規定は設けていない。
文科省の担当者は「要項を🔗『大学入学者選抜実施要項の遵守についてのお願い』とあわせて読めば、見直しに至った協議会の想いを理解してもらえる」と話す。

この文書では、2026年度入試における一部大学の学力評価型年内入試について、「個別テストの配点割合が著しく高いまたは他の要素が点数化されていない」「実質的に学力検査の成績に大きく偏って合否判定が行われている」と指摘。「総合型選抜及び学校推薦型選抜の趣旨に合わない」「実質的な『一般選抜の前倒し』であり、大学入学者選抜実施要項の趣旨からして許されるものではありません」と、強い調子で批判している。
文科省の担当者は「大学と高校、双方の一致したこの見解が見直しの発端になったことを理解したうえで、要項を読んでほしい」と話す。

「お願い」では、今後、年内入試で面接を実施する場合も、学力試験については「総合型選抜及び学校推薦型選抜の趣旨を踏まえ、他の評価方法との間でバランスの取れた配分で評価・判定に活用すべき」とし、実質的に学力試験が評価の大部分を占めるような入試は「不適切」としている。
配点割合等の数値を要項で形式的に示すのではなく、各選抜の趣旨を体現した入試になっているか、大学が主体的に判断してほしいということだろう。

「お願い」ではさらに、アドミッション・ポリシーと入試での評価方法との関係を見直し、配点割合の公表などを通じて要項の趣旨に則った選抜であることを対外的に説明するよう要請。「入試は大学の教育活動の一環として実施するものであり、こうした社会的責任を果たしてもらう必要がある」(担当者)。

プレゼン動画や2段階選抜の適否は?

要項見直しの発端となった学力評価型の年内入試を実施する大学は今後、この入試を続けるか否かも含めて対応を検討することになりそうだ。面接を実施する場合に想定される具体的な方法の適否について、文科省の見解を聞いた。

受験者がプレゼンテーション動画を撮って提出する方法は、協議会として想定しておらず、要項の趣旨に合わないというのが担当者の見解だ。面接の方法として求めるポイントは、「人間の面接官が」「一人ひとりを」「時間をかけて丁寧に」「双方向のやり取りで」評価することだという。
受験者同士の双方向のやり取りを評価者が観察するグループディスカッションは別として、基本的には面接官がオンラインを含むリアルタイムで直接、受験者とやり取りすることが必須となる。「人間の面接官」がポイントの一つである以上、AIによる面接も認められないということになるだろう。

では、2段階選抜の2次試験として面接を実施する方法はどうか。「2段階選抜そのものが一切認められないということはないが、その学部・学科に対する意欲や適性を丁寧に見るという趣旨と、アドミンション・ポリシーとの関係を説明できるかどうかが問われるだろう」。多数の受験者を実質的に学力試験でふるったうえで形式的に面接を行うような方法については、学力メインの選抜であり要項の趣旨に則ったものとは言えないとの見方だ。

「ゼロベースで『丁寧なマッチング』の検討を」

「お願い」と要項をあわせて読んでもらい、面接の手法や配点割合については各大学の主体的な判断に委ねるというのが協議会と文科省のスタンスだが、「要項の趣旨と違うと思われるものについては、フォローアップとして大学と話すことになる」(担当者)。

担当者はさらに、次のように話す。
「現行の入試内容は一旦、脇に置いてゼロベースで考えてみてほしい。現行の延長で問題をクリアするという発想は適切でないというのが、『お願い』の最初にあるメッセージだ。一人ひとりの受験生を学部・学科と丁寧にマッチングするにはどうしたらいいか、ストライクゾーンの真ん中を狙うつもりで考え直し、考えた方法が対外的に説明できるものになっているか検討する。この手順で進めれば、再び大学入試が問題視されるような事態を防ぐことができるはずだ」
根本的な見直しでなければ、協議会の納得や社会的理解を得るのは難しいということだろう。

多面的・総合的評価のための面接実施チェックリスト

多面的・総合的評価のための適切な面接実施の指針として活用できるチェックリストがある。進研アドが文科省の委託を受けて2025年度に実施した🔗「大学入学者選抜における多様な評価方法の実態把握・分析に関する調査研究」の一環として作成し、成果報告書の中で示している。
報告書は、学力の3要素の多面的・総合的評価の好事例とされる入試を実施する24大学の調査を基に、有識者の助言を受けてまとめたものだ。面接のほか、小論文、総合問題それぞれの実施におけるチェックリストもある。