2026.0408

学力評価型年内入試で面接必須化を検討、多面的評価の実質化へ

大学(募集・接続・教学)

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3行でわかるこの記事のポイント

●一部大学の実施内容を高校側が「一般選抜の前倒し」と批判
●多面的・総合的評価の理念に立ち返り、意欲・適性を評価
●2029年度入試から本格適用の見通し

2026年度入試において条件付きで認められた学力評価型の年内入試について、面接の必須化など、新たなルールを設ける方向で検討されている。一部大学の実施内容に対し、高校側から「実質的な一般選抜の前倒しだ」と批判が上がり、ルールを見直すことになった。従来型の学力試験を課さない年内入試も面接が必須化される可能性がある。実質的な適用は2029年度入試からになりそうだ。


校長会の声明で「要項の抜け道を探るような状況」と指摘

🔗2026年度入試における学力評価型の年内入試については、小論文や面接と組み合わせて多面的・総合的評価を行うことを条件に、2月1日以前の学力試験の実施が認められた。
新ルールの下、いくつかの大学が事前課題の小論文などを入れて実施したが、一部の実施内容に対し、全国高等学校長協会が反発。2025年6月に🔗意見書を出し、「基礎学力検査が配点の9割を占める等(中略)一般選抜と大差ない」「要項の抜け道を探るような高等教育機関としてあるまじき状況」「大学側と高等学校側の信頼を損ねる」と批判した。

大学入学者選抜協議会(以下、「協議会」)では大学側の委員も含め、小論文の配点の低さやゼロ配点、配点を明示しないケースがあることを問題視。「学生募集を優先させた、実質的な一般選抜の前倒し」という見解で一致したという。

学力評価型の問題が総合型選抜等の本質論に波及

これを受け、文部科学省は2026年3月下旬の協議会に、年内入試で面接を必須とする案を提示。これをたたき台としてルールの見直しについて議論し、6月に公表する2027年度入試要項に反映する方向だ。面接の必須化については、学力試験の有無にかかわらず、すべての年内入試を対象にすることも視野に入れて検討する。

文科省の担当者は面接の必須化について「本来の総合型選抜、学校推薦型選抜の理念に立ち返り、学力試験で測る能力とは別に意欲や適性、人物を見るのであれば、面接こそがあるべき姿だという意見をふまえた」と説明。
「学力評価型の問題をきっかけに、『そもそも総合型選抜、学校推薦型選抜とは?』ということに議論が広がっており、適用範囲についてもさまざまな意見がある」

すべての年内入試に適用する場合、総合型選抜は現在もそのほとんどで面接が実施されているため、必須化しても大きな影響はないとの見方だ。一方、多様な実態がある学校推薦型選抜については、必須化の対象を限定することも検討する。「指定校推薦は高校との信頼関係の下で実施され、高校側がきちんと人物を見たうえで推薦することを前提にするなら、面接は不要という考え方もあり得るとの意見も出ている」。

1対1の面接のほか、グループディスカッションやプレゼンテーションも選択肢とし、オンラインでの実施も可能にする方向だ。
面接を必須化する場合は原則、2027年度入試から適用することになりそう。一方、面接なしの年内入試を導入済みの大学については、受験生の混乱回避や大学の準備期間に配慮し、2029年度入試からの適用も検討する。

学力評価型の年内入試で面接が必須になると、大学側にとっては負担が増すため、この方式を廃止する大学もありそうだ。

「望ましい総合型選抜」の共通理解形成が課題

協議会では、「学力試験と面接等の配点まで決めてしまうべき」という意見がある一方で、「アドミッション・ポリシーに基づく個別の判断を大学に委ねるべき」との意見もあるという。

「新たなルールを設けても、要件を形式的に満たすだけで、実質は一般選抜と変わらない入試をする大学が今後も出かねない」との懸念もあるが、「今回の問題を契機に、各大学があらためて入試のあるべき姿を見直し、しっかりと説明責任を果たしていくべき」との声も協議会では挙がっている。

「多面的評価」「丁寧な選抜」について、共通認識がないまま対症療法的にルールを追加・変更しても、同様の問題が繰り返され、結果的に受験生が翻弄されることになりかねない。

文科省の担当者は「学力評価型の年内入試を実施する場合、『本学は、このような面接や小論文で丁寧なマッチングを図っている』ということこそをPRし、『それに加えて学力もここまでは見る』と補足的に説明できる入試であれば、高校側にも受け入れられるはず。面接や小論文を含め、総合型選抜、学校推薦型選抜の望ましいやり方、望ましくないやり方について共通理解を深めていく努力は欠かせないだろう」と話す。