THEアジア大学ランキング―帝京大学が新たにランクイン、78位タイ
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2019.0509
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3行でわかるこの記事のポイント
●清華大学がシンガポール国立大学を上回り初の総合1位
●東大8位、京大11位で前年の順位を維持
●中国・韓国の多くの大学は順位が上昇
イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」はこのほど、アラブ首長国連邦のカリファ大学で開催したアジアサミットで「THEアジア大学ランキング2019」トップ400+を発表した。前年2位だった中国の清華大学が初めてトップになり、3年連続トップだったシンガポール国立大学は2位に。上位大学でランクダウンが目立つ中、東京大学は8位、京都大学は11位と、いずれも前年の順位をキープ。一方、中国・韓国は上位から下位まで多くの大学で順位の維持・上昇が目立つ。THEはアジアランキングの結果と併せ、2020年のアジアサミットの会場が日本の藤田医科大学(旧藤田保健衛生大学、愛知県豊明市)に決定したと発表、日本では初開催となる。
*THEウェブサイトのアジアランキング発表はこちら
「THEアジア大学ランキング2019」は「THE世界大学ランキング2019」と同じデータを使い、指標の比重を一部変えてランクづけしている。「教育」「研究」「被引用論文」「産業界からの収入」「国際性」の5分野のうち、「教育」の比重は世界ランキング30%でアジアランキング25%、「産業界からの収入」の比重は世界ランキング2.5%でアジアランキング7.5%となっている。これにより、相対的な順位が世界ランキングとは一部、異なっている。
今回のアジアランキングには27の国と地域の大学がランクインした。トップの清華大学は「教育」「被引用論文」「国際性」の各スコアが大幅に上昇。
トップ10を見ると、「産業界からの収入」「国際性」のスコアが上昇した香港科技大学が前年の5位から3位に浮上し、前年と同じ4位の香港大学を上回った。2017年に中国の大学の中でトップだった北京大学は「研究」の中の「研究関連収入」、および「産業界からの収入」の減少により前年の3位から5位にダウン、清華大学との差が広がった。前年13位だった韓国の成均館大学は10位に上がり、9位キープのソウル大学のポジションをうかがうなど、同じ国・地域の大学間でも激しい競争が展開されている。
トップ20のランクイン校数は中国6、香港・韓国各5、シンガポール・日本各2で、同率20位が2校あった前年(中国7)とほぼ変わらなかった。
日本からのランクインは2018年に発表されたトップ350+での89校に対し、今回のトップ400+では103校に増えた。しかし、THEデータサイエンティストのビリー・ウォン氏は「日本は躍進する中国や韓国の大学、その他の新規参入大学と比べて伸び悩んでいる」と指摘。東京大学(8位)と京都大学(11位)が前年と同じ順位を維持、総合30位の東京工業大学が前年から3ランクアップしたものの、それ以外の有力国立大学、ランキング下位の大学の多くが順位を下げた。日本のこの状況に比べると中国・韓国は、上位から下位の大学にわたり、順位を維持したり上昇させたりしているケースが目立つ。
今回、新たにランクインしたのは、総合で同率78位、日本の大学の中で12位に躍進した帝京大学をはじめ日本医科大学(同率116位)、立教大学(147位)など16校。帝京大学は日本の大学の中でスコアが最も高い被引用論文が強みだ。
前年、初めてのランクインで83位だった藤田医科大学も被引用論文が帝京大学に次ぐ高スコアで総合順位が同率74位にアップ、日本の私立大学トップのポジションをキープした。
次回のアジアランキング発表の場となるアジアサミットは2020年6月2日~4日、藤田医科大学で開かれる。世界の大学トップが集うTHEサミットの日本開催は初めて。「Crossing boundaries, unlocking creativity(境界を越え、 創造性を引き出す)」をテーマに、少子高齢化、国際交流の進展など、日本をはじめとするアジア諸国の課題、AIやSDGsなど、グローバル社会が直面する課題に、大学が国や学問領域の境界を越えて取り組むために知を結集させる。ノーベル賞受賞者や国際的リーダー、各国トップクラスの大学の学長などが登壇する予定だ。
*2020年のアジアサミットに関するTHE、および藤田医科大学の告知はこちらhttps://www.timeshighereducation.com/summits/asiauniversities/2020/
https://www.timeshighereducation.com/news/host-first-summit-japan
https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv0000002nlj.html