THE世界大学ランキング2019 World Academic Summit現地レポート
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2018.1009
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イギリスの高等教育専門誌「THE(Times Higher Education)」の「THE世界大学ランキング2019」では、東京大学が順位を4つ上げて42位、京都大学は9つ上げて65位だった。ランクイン校数で初めてイギリスを抜きアメリカに次いで世界で2番目となり、THEから「日本の大学は停滞を乗り越え、確かな進歩を遂げた」と称賛された。ランキングが発表されたWorld Academic Summitの様子をレポートする。
THEは2018年9月25日から27日にかけて、シンガポール国立大学を舞台にWorld Academic Summitを開催した。52の国と地域から500人を超える大学関係者が参加。日本から集まった大学は10を超え、これまでで最多となった。中国、韓国、台湾、香港の大学はもちろん、アラブ諸国やアフリカ各国からも多くの大学が参加しており、世界規模でのネットワークが急速に拡大していることを物語った。
また、Summitには大学のみならず、政府機関関係者、研究パフォーマンス分析企業や教育関連企業なども多数参加し、大学を中心とした知のネットワークとなっている。その場で、交換留学や単位互換、共同研究など、具体的な提携の交渉が盛んに行われていた。
9月26日に行われたプログラム「データを使用した研究成果の理解」には、工学院大学の佐藤光史学長が登壇し、シンガポール国立大学のNick Tan Shiang Yen氏、Elsevier副社長 Patrick Crisfulla氏、ElsevierリサーチインテリジェンスシニアコンサルタントAlexander van Servellen氏らとパネルディスカッションを行った。競争の激しい環境では、影響力とパフォーマンスを最大化し、評判を確立して資金を確保することが急務。このために研究戦略を積極的に管理できるツールが必要。 研究の卓越性を追求し、トップランクの大学に続くベストプラクティスを発見するために、研究インテリジェンスが果たす役割は大きいとの議論がなされた。
9月27日の「国境を越えた大学ネットワーク 」では、東京大学の藤井輝夫副学長が議長となり、インドネシア大学教授、アジア大学同盟理事長、アセアン大学ネットワーク専務理事のMuhammad Anis氏、クイーン・メアリー・ロンドン大学副学長Colin Grant氏、パシフィックリム大学協会事務局長Christopher Tremewan氏らがパネルディスカッションを行った。このセッションでは、地域問題や国際問題に取り組むための専門知識とリソースを共有するための大学間提携の在り方についての議論が交わされ、 ネットワークを越えたより広いコミュニティにもたらす価値とメリットに関する考察が深まった。
World Academic SummitのTHEによる講演の中では「THE世界大学ランキング日本版」の話題がたびたび上り、日本の大学に対する関心が世界から寄せられることを物語るサミットであった。
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