THE世界大学ランキング-東大は39位→46位、京大は91位→74位
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2017.0906
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3行でわかるこの記事のポイント
●トップは2年連続でオックスフォード大学
●京都大学と大阪大学の順位が前回からアップ
●日本から初めてランクインした大学の上位には医学系が目立つ
イギリスの高等教育専門誌「THE(Times Higher Education)」は9月5日、14回目となる2018年の「THE世界大学ランキング」を発表した。1457校がサブミット(登録完了)し、81カ国1102校(前回は980校)の順位が示された。トップは前回と同じオックスフォード大学。2位はケンブリッジ大学で、1位、2位をイギリス勢が独占した。世界のベスト10を国別に見るとアメリカ7校、イギリス3校、スイス1校。ベスト10内で順位の変動はあったが顔触れは前回とほぼ同じで、同点の10位で、前回のカリフォルニア大学バークレー校(今回18位)と今回のペンシルバニア大学(前回13位)が入れ替わった。日本からは今回も100位以内に東京大学と京都大学の2校が入った。東京大学は前年より7つダウンの46位、京都大学は17ランクアップして74位だった。日本からは前回より20校多い89校がランクインした。
*THEによる公表はこちら
https://www.timeshighereducation.com/news/world-university-rankings-2018-results-announced
日本からのランクイン89校を設置者別に見ると、国立53・公立8・私立28となっている。ランクを上げたのは京都大学と大阪大学(251-300位→201-250位)の2校のみ。私立の最高位は前回351-400位だったが、今回は初ランクインした藤田保健衛生大学の501-600位だった。
初めてランクインしたのは22校で、その中での上位には浜松医科大学、奈良県立医科大学、北里大学など医学系の大学、医学部のある大学が目立つ。研究力が重視され、大学全体の予算が指標に組み込まれている世界ランキングの特色とも言えるが、医学系の優位性がうかがえる。一方、前回のランクイン大学で今回ランク外となったのは2校。
3月に発表された「THE世界大学ランキング 日本版」で23位になり注目を集めた会津大学は、世界ランキングでも初のランク入りで601-800位。同大学を含め、日本の89校中87校が「日本版」とダブルでのランクインとなっている。
アジアのトップは22位のシンガポール国立大学で、前回から2つ順位を上げた。
中国の北京大学と清華大学もそれぞれ前回より順位を上げて27位(前回29位)と30位(同35位)で、200位以内にランクインした中国の大学は2校増えて7校と躍進した。
香港勢も、香港大学が40位(前回43位)、香港科技大学が44位(前回49位)と順位を上げた。
「THE世界大学ランキング」は基本的に前回と同じ指標を用い、教育、研究、国際性など5つの分野について、13の指標で各大学のスコアを算出している。「学士課程学生に対する博士課程学生比率」や「教員に対する博士号取得者比率」、「研究関連収入」などを指標として取り入れ、「被引用論文」の比重を高くするなど、研究を重視している点が「THE世界大学ランキング 日本版」との違いだ。
各分野・指標の比重は以下の通り。
◇教育(教育環境) 30%
・評判調査<教育> 15%
・学生に対する教員比率 4.5%
・学士課程学生に対する博士課程学生比率 2.25%
・教員に対する博士号取得者比率 6%
・大学の総収入 2.25%
◇研究(量、収入、評判) 30%
・評判調査<研究> 18%
・研究関連収入 6%
・学術生産性 6%
◇被引用論文(研究影響力) 30%
◇国際性(教員、学生、研究) 7.5%
・自国籍学生に対する外国人留学生比率 2.5%
・自国籍教員に対する外国籍教員比率 2.5%
・国際共同研究 2.5%
◇産業界からの収入(知の移転)2.5%
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