2021.0805

データサイエンス教育認定プログラム第二弾と先導的な「プラス」を発表

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3行でわかるこの記事のポイント

●今回は67校、前回と合わせ計78校、すべての申請が認定された
●独自の工夫・特色が評価された「プラス」は10大学と1高専
●「プラス」の大多数が「全員履修」

文部科学省はこのほど、2021年度の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」認定校の第二弾、計67校を発表した。6月末に発表された11校と合わせ、認定は78校になった。今回認定されたのは大学59校(国立28、公立3、私立28)、私立短大2校、高専6校。全78校の中から11 校が、先導的で独自の工夫・特色があるとして「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)プラス」に選ばれた。

文科省の発表資料はこちら
データサイエンス教育認定プログラム第1号は大学7校、高専4校


●「全学生対象」「文理を問わず複数の専門分野の学生が履修」が要件

 「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」は、大学・短大・高専の全ての学生がデータサイエンスの基礎的な知識・スキルを修得できる環境の整備を目的に、2021年度にスタートした。全学生を対象に正課として開講される体系的な教育プログラムで、文理を問わず複数の専門分野の学生が履修していることなどが認定の要件。履修すべき学生数や履修率の目標を示し、それを達成するための具体的な計画を示すことも求められる。
 2021年3月から5月にかけて申請を受け付け、計78校が申請した。すべての申請校が所定の要件を満たしていることが確認され、認定を受けた。認定の有効期限は5年間。 

●北海道医療大学の「プラス」プログラムは「学生どうしの学び合い」が特色

 今回認定された大学は、北海道大学、滋賀大学など文科省の指定を受けた数理・データサイエンス教育の拠点大学やデータサイエンス学部がある武蔵野大学などのほか、文系学部のみの大学、女子大、地方小規模大学など、多様な顔ぶれとなった。
 「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)プラス」に選ばれた大学は国立6(北海道大学、東北大学、筑波大学、千葉大学、滋賀大学、九州大学)、公立1(山陽小野田市立山口東京理科大学)、私立3(北海道医療大学、金沢工業大学、久留米工業大学)の計10校。1年次、または4年間でプログラムを必修にしているケースが目立つ。文科省の担当者は「認定プログラムの中でも、特に他大学の参考になりそうな取り組みを選んだ」と説明している。
 「プラス」に選ばれた北海道医療大学のプログラムは、協働学修など学生どうしの学び合いと内製したAIの活用による学修教育支援、2022年度以降の入学者全員が履修することなどが特色。オンラインによるグループワークを通じ、他者と協力しながらデータやAIを活用するコラボレーション力の修得を促す。学生が作るアンケートに相互に回答し合って授業への参加意識を高め、現場で役立つデータ分析力を修得させる。
 金沢工業大学では1年次に全員が認定プログラムを履修。数理解析を専門とする企業と共同開発した教材を使う「AI基礎」では、AIによる画像認識、自然言語処理、対話型音声識別などの技術について実践的な知識・スキルを修得させる。
 文科省の担当者は「認定にあたっては全学生を対象に開講することに加え、データサイエンス教育への取り組みを社会に対して積極的に発信することも重視している」と説明している。2022年度も今回とほぼ同じ時期に募集する予定だ。


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