2023.0419

私立大学の学校推薦型選抜、入学者の6割が指定校推薦-文科省調査

学生募集・高大接続

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3行でわかるこの記事のポイント

●エビデンスに基づく政策決定を目的とした調査
●国立大学の全選抜区分のうち2割弱が総合型選抜
●全大学の総合型選抜の選抜区分中4割で探究学習の成果を確認

文部科学省がこのほど公表した大学・短大の2022年度入試に関する調査の結果から、大学全体として年内入試シフトが進んでいる状況があらためて確認できる。私立大学は選抜区分数ベースで全体の半分、入学者数ベースで全体の6割を年内入試が占めている。
*調査結果はこちら
*参考記事(Between情報サイトより)
3/10現在、私大の総合型選抜の志願者数は対前年指数113


 文科省の「大学入試のあり方に関する検討会議」が2021年7月にまとめた提言で、実証的なデータやエビデンスに基づく政策決定が提起されたのを受け、この調査が実施された。外部機関に委託し、全大学・短大を対象に2022年度入試の実施状況について同年7月から8月にかけて調べた。対象となった1071 校すべてが回答し、7万6113の選抜区分について情報を得た。一部については、同検討会議で報告された2020年度入試の調査結果との比較も示されている。
 以下、4年制大学について説明する。

●国公私立全体の選抜区分は一般選抜と年内入試が半々

 大学全体について選抜区分ベースで見ると、2020年度入試から2022年度入試にかけての2年間で、一般選抜の割合は2.5ポイント低下して全体のほぼ半分になった。学校推薦型選抜も3.1ポイント低下。一方、総合型選抜の割合は5.9ポイント上昇して全体の約2割を占めている。

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 上記の結果から国立大学と私立大学を抽出してみる。
 国立大学の選抜区分は総合型選抜の割合が3.5ポイント上昇して2割近くに。一般選抜の割合も上昇し、学校推薦型選抜は下降している。

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 私立大学の総合型選抜の割合は6.3ポイント上昇して2割弱。学校推薦型選抜と合わせた年内入試の割合は半分を超えた。
 
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 次に、入学者ベースで見る。大学全体では、2022年度入試における一般選抜と年内入試の割合がほぼ半々。私立大学の年内入試による入学者数は全体の6割弱だった。

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●私立大学の学校推薦型選抜、選抜区分ベースでは指定校推薦が3割

 私立大学の2022年度学校推薦型選抜について詳しく見ていく。
 選抜区分ベースで、指定校推薦は3割、附属校推薦は2割を占めている。いずれも、入学者を手堅く確保するために大学が拡大を図っている選抜だ。

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入学者ベースで見ると、学校推薦型選抜の6割近くを指定校推薦が占める。

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 私立大学の学校推薦型選抜のうち併願を認める選抜区分の割合は、公募型が53.6%。指定校は9割以上が専願となっている。

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●年内入試では高校の学習成果、面接・討論、書面で学力を把握

 年内入試で学力の把握はどのようになされているか、国公私立大学全体で見ていく。
 総合型選抜では、調査書をはじめとする「高校等における学習成果」、そして「面接・討論等」を取り入れている選抜区分がそれぞれ全体の9割を超え、推薦書などの「書面」がこれらに次いで多い。

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 学校推薦型選抜では「高校等における学習成果」「書面」がいずれも9割を超え、次いで「面接・討論等」となっている。

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● 入学者の質の維持・向上のため、選抜手法のブラッシュアップを

 国公私立大学全体の2022年度総合型選抜では、入学希望理由書等を利用した選抜区分が8割近くに上る。総合型選抜ではアドミッション・ポリシーとのマッチングや学習意欲が重視され、志望理由書を通してこれらが確認されている。

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 国公私立大学全体の2022年度総合型選抜では、4割近い選抜区分で探究学習の成果に関する資料を利用している。アドミッション・ポリシーに基づく高大接続を図るうえで、探究学習に着目する大学は確実に増えている。今後、高大連携を通して探究学習を支援し、それを総合型選抜に接続させたいと考える大学も多く、探究学習評価型の入試はさらに増えそうだ。

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 多くの大学が総合型選抜や学校推薦型選抜の募集枠を拡大し、合格者を増やす方向にある。数の確保のみならず、入学者の質を維持・向上させるためには、基礎学力や自学のアドミッション・ポリシーとの相性を適切に評価できるよう、選考手法のブラッシュアップに早急に取り組む必要がある。