「データネット2019」 私大センター利用方式志望者数は対前年指数94
学生募集・高大接続
2019.0128
学生募集・高大接続
3行でわかるこの記事のポイント
●センター試験出願者数の8割近いデータを集計
●私大の経済・経営・商は上位校で志望者数の減少が目立つ
●平均点大幅アップで私大の合格ラインの得点率引き上げが予想される
ベネッセコーポレーションと駿台予備学校が提供する大学入試センター試験自己採点集計「データネット2019」は、1月22日から自己採点集計結果の概況、得点状況、志望動向、志望者度数分布などを発表している。私立大学のセンター利用方式の出願者数は対前年指数94で、安全志向による出願校数の絞り込みがうかがえる。
*「データネット2019」の全体概況はこちら
*予想平均点と高校の動きについてはこちら
●センターが「得点調整なし」を発表
データネットの集計数は45万3777人で、センター試験出願者数に対する集計率は78.7%。集計数を文理別に見ると「5教科8科目文系」が10万1725人、「5教科7科目理系」が15万8714人となっている。
集計に基づく5教科900点満点の予想平均点は、文系が570点(得点率63%、前年差+16点)、理系は576点(得点率64%、前年差+12点)といずれも大幅に上昇。こうした中でも受験生の安全志向が強く、強気のチャレンジではなく、本来の志望校に手堅く出願する傾向になることが予想される。
平均点を科目別に見ると国語、英語リスニングなどで上がり、地理B、倫理などで下がった。科目間の平均点の差は最大の理科でも8.2点で、大学入試センターは得点調整は行わないと発表した。
データネットの集計によると、国公立大学の志望者数は対前年指数99でほぼ前年並み。学部系統別に見ると、文系では法学で志望者数が増加する一方、 経済・経営・商学で減少した。理系では理学などで志望者が増え、 医学、薬学で減少している。
センター試験を利用する私立大学は前年度から5大学増えて531大学。志望者数の対前年指数は94に下がった。前年度まで、私立大学による合格者数絞り込みが顕著だったのを受け、受験生がチャレンジを避け、出願校数を絞り込んだ結果と推測される。
前年より志望者数が増えたのは総合科学のみ。文系では経済・経営・商学、理系では薬学で特に減少幅が大きい。経済・経営・商学では第3回ベネッセ・駿台マーク模試B判定値50以上の大学で志望者数の減少が目立つ。
進研アド・マナビジョン企画部データベースマーケティング課の仁科佑一グループリーダーは「センター試験の平均点が大幅に上昇したため、各私立大学、特に上昇幅が大きい国語と英語リスニングの配点比重が高い大学では、センター利用方式の合格ラインの得点率を前年より上げる方向での検討がなされるだろう」と指摘する。
また、ベネッセコーポレーション学校カンパニー教育情報センターの渡邉慧信センター長は「データネットに基づく私立大学センター利用方式の志望者数の対前年指数は94だが、高校現場を回っていると、ここ数年の私立大難化を受けて、一般入試を含む入試全体では一人あたりの併願数が増えているとの感触を得ている。特に安全校への出願を広げている受験生が多いようだ」と話す。