23区での定員規制-10月申請分のみ告示、他は3月めざし検討を継続
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2017.1002
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3行でわかるこの記事のポイント
●2019年度の学部・学科新設には社会人と留学生の例外規定を加える方向
●2020年度以降の新増設を規制する新規立法は来年の10月申請前がデッドライン
●「原則禁止」の法律で23区内へのキャンパス移転も不可能に
文部科学省は9月29日、2018年度の定員増と2019年度の大学・短大の新設について、東京23区内での定員増になるものは原則として認めないとする方針を告示した。2018年3月以降の申請対象となる2019年度の学部新設等については今回の告示からはずし、例外規定について引き続き検討する。
今回の告示は、①今年6月から10月に申請が延期された23区内での2018年度の収容定員増、②今年10月に申請を受け付ける2019年度の大学・短大の新設の2つに関するもの。規制の例外は、8月にパブリックコメントにかけた告示案から変わっていない。①の例外規定は施設整備等の投資を伴う場合、6月末までに申請の意思決定がなされている場合。②の例外規定は同一法人内で専門学校から定員を移して専門職大学を新設する場合、施設整備等の投資を伴い、9月末までに申請の意思決定がなされたことを証明する内容で広報している場合となっている。
8月の告示案では、2018年3月に申請を受け付ける2019年度の学部等の新設や収容定員増についても同様の例外規定の下で規制することが示されていた。しかし、内閣府の有識者会議で社会人や留学生の受け入れについても例外規定に加えるべきとの方向になっていることをふまえ、申請まで時間があるものは今回の告示からはずすことになった。年末に出る有識者会議の最終報告を受けて例外規定について検討し、3月に間に合うようあらためて告示等で公表する予定だ。
これらの告示は直近の申請に対応するための言わば応急措置で、文科省はこれと並行して2020年度以降の新設や収容定員増に抜本的に対応すべく、新規立法の検討を進めている。来年の通常国会で法案を成立させ、10月以降の申請事項の受け付け前に施行するというスケジュールが想定されている。
23区内では定員増ができないという原則を法律で定め、上記告示にある例外規定も踏襲する見通しだ。すなわち、社会人や留学生の受け入れ枠については例外として定員増を認める一方、専門職大学は23区内で専門学校を運営している法人が定員を移す場合のみ認める方向で検討されている。法律による「23区内での定員増原則禁止」の規定により、現在は届出も不要となっている23区内の既設キャンパスへの学部移転(定員増や施設の新設等を伴わない場合)もできなくなる見通しだ。
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