THE世界大学ランキング-日本から豊田工大など28校が初のランクイン
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2016.0923
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3行でわかるこの記事のポイント
●日本で200位以内は東大、京大のみで東大は順位が4つアップ
●初ランクインの日本の私大は大規模総合大学と医療系、工学系が目立つ
●200位以内に香港から5校など、アジアの他国の躍進が目立つ
イギリスの高等教育専門誌「THE(Times Higher Education)」は9月22日、13回目となる2016-2017年の「世界大学ランキング」を発表した。トップはオックスフォード大学で、日本からは前回同様、100位以内に東京大学と京都大学の2校が入った。東京大学が順位を上げる(43位→39位)一方、京都大学は順位を下げた(88位→91位)。全体の980校の中に日本から69校がランクインし、うち28校が初めての顔ぶれだった。
くわしい分析はTHEのサイトを参照。
http://www.thewur.com/
「THE世界ランキング」は前回、800位までだったが、今回は980校についてのランキングを発表した。前回の1位(カリフォルニア工科大学)と2位(オックスフォード大学)が入れ替わり、アメリカが初めて首位の座から降りた。3位から9位と、10位の1校は前回と全く同じ顔ぶれとなった。
980位までにランクインした日本の大学の中でも豊田工業大学は初登場で私立大学トップ、九州大学と同じ351-400位だった。上位400校には同大学を含む8校がランクインし、前回より2校増えた。
980位までに初めてランクインした私立大学は他に、東京慈恵会医科大学、千葉工業大学、中央大学、同志社大学、法政大学、関西大学、関西学院大学、明治大学、立命館大学、埼玉医科大学、芝浦工業大学、東京都市大学、東京電機大学。大規模総合大学と医療系、工学系の単科大学が目立つ。
上位ランクイン校の数をアジアの他の国と比較すると、日本の厳しい状況が続いている。上位200校まで見ても日本は東京大学と京都大学のみだが、香港は5校、中国と韓国はそれぞれ4校が入っている。前回はアジアの中でトップだった東京大学は4位に。替わってアジアトップとなったシンガポール国立大学は過去最高の24位に躍進、中国の北京大学と清華大学もそれぞれ前回より順位を上げて29位と35位になった。
「THE世界ランキング」編集長のフィル・ベイティ氏は講評の中で、日本がアジアの中で不振な状態にある中、日本政府が大学のグローバル化に力を入れ出したことに言及。「近い将来、アジアの有力大学が続々と世界有数の大学の仲間入りを果たすことは間違いなく、日本もおくれをとらないようにする必要がある」と指摘している。
「THE世界大学ランキング」は教育力、研究力、国際性など5つの分野について、13の指標で各大学のスコアを算出している。各分野・指標の比重は以下の通り。
◇教育力(学習環境) 30%
・評判調査 15%
・教員数と学生数の比率 4.5%
・博士号取得者数と学部卒業生数の比率 2.25%
・博士号取得者数と教員数の比率 6%
・大学全体の予算 2.25%
◇研究力(論文数、収入、評判) 30%
・評判調査 18%
・研究費収入 6%
・研究の生産性 6%
◇引用数(研究の影響力) 30%
◇国際性(教職員、学生、研究) 7.5%
・海外留学生数と国内学生数の比率 2.5%
・外国籍教職員数と国内教職員数の比率 2.5%
・国際協力 2.5%
◇産業界からの収入(知識移転) 2.5%
<お知らせ>
*「THE世界大学ランキング 日本版」日本語公式サイトhttps://japanuniversityrankings.jp/ がリニューアルしました。
①ランクインした全大学のプロフィールページを搭載。各指標のスコアに加え、「参考データ」として、「全学生に占める留学経験者の割合(中長期)(短期)」「全授業に占める『すべて英語で行われる授業(語学除く)』の割合」「学部卒業時の進路決定率」などの各種データも見られるようになりました。
②4つの指標、および全国7つのエリア、それぞれを指定して分野別、エリア別のランキングが簡単に調べられます。