THE世界大学ランキング 東大は36位維持、京大は11ランク上げて54位

●1位は5年連続でオックスフォード大学
●日本からのランクインは6校増の116校
●私立は産業医科大学、藤田医科大学、帝京大学が500位以内にランクイン

イギリスの高等教育専門誌「THETimes Higher Education)」は日本時間の9220時、17回目となる2021年の「THE世界大学ランキング」を発表、過去最多の93か国1527校がランク付けされた。トップは前年と同じオックスフォード大学。日本からは東京大学と京都大学が引き続きトップ100入りし、東京大学は前年と同じ36位タイ、京都大学は11ランク上げて54位タイだった。日本のランクイン数は前年より6校多い116校で世界2位。今回も中国はじめアジア勢の台頭が目立ち、THE幹部は「新型コロナウィルス問題によってアジアの優秀な人材の欧米への流出にブレーキがかかると、アジアの大学がさらに優位に立つかもしれない」と指摘する。

THEの発表はこちら


●中国の清華大学が20位タイ、アジアから初のトップ20入り

 「THE世界大学ランキング2021」におけるオックスフォード大学のトップは5年連続。2位のスタンフォード大学は2つ、3位のハーバード大学は4つ、それぞれ順位を上げた。
 トップ10のうち9校は前年と同じ顔ぶれ。カリフォルニア大学バークレー校が前年13位から7位に上がってトップ10入りする一方、前年10位のインペリアル・カレッジ・ロンドンは11位に下がった。トップ10のうちイギリスの大学は2校に減ってアメリカは初めて8校に。ケンブリッジ大学が3ランクダウンで6位になったことも含め、トップグループにおけるイギリスのポジション低下を印象づける結果になった。

top10.png

 中国の清華大学は前年の23位から20位タイにランクアップ。現在のランキング指標が導入された2011年以降、アジアの大学として初のトップ20入りを果たした。

●京都大学の11ランクアップは「目覚ましい快挙」とTHE

 日本のランクイン数116校はアメリカの181校に次いで2位。設置者別に見ると国立57・公立12・私立47となっている。

japan.png

 36位タイをキープした東京大学は現在のランキング指標が導入されて以来、毎年トップ50に入っている。毎回ランクアップし、今年は11ランクアップで54位タイとなった京都大学について、THEは「目覚ましい快挙」と称賛。国内大学3位の東北大学は前年の251300位から201250位に上がり、2015年以来のトップ200返り咲きをうかがう。
 東京工業大学は前年の251300位から301350位に、名古屋大学と大阪大学はいずれも前年の301350位から351400位とそれぞれ1バンド落ちた。私立大学最上位は前年と同じ産業医科大学で順位は変わらず 351400位。私立でこれに続くのは、いずれも前年の401500位から501600位になった藤田医科大学と帝京大学。
 日本はランクイン数では2位だが、トップ200の大学は2校のみでアメリカ(59校)、イギリス(29校)、ドイツ(21校)に大きく水をあけられている。世界トップ大学の層を厚くしていくことが課題といえよう。

●アジアの台頭の一方、米英はトップ層が順位を下げる

 今回のランキングでは、アジア勢の台頭を受けて米英の地位が低下するという状況が浮かび上がった。アジアからはランキングが始まって以来、最多となる16校がトップ100入りし、うち13校は前年から順位を上げるか維持している。
 中でも中国は清華大学がアジアから初のトップ20入りしたのに加え、トップ100の大学が前年から3校増えて6校、トップ200の大学は2016年から5校増えて7校と勢いづいている。インドの躍進もめざましく、初ランクインの全141校中、最多の14校を占め、ランクイン数は過去最多の63校となった。
 これに対し、イギリスではオックスフォード大学が圧倒的強さを誇る一方で、前年トップ20に入った大学のうち順位が上昇したのは5校のみ。アメリカはランクイン数やトップクラスのランクイン数では揺るぎない位置を占めているものの、前年トップ20に入っていた大学の半数が順位を下げ、2016年からの5年間でトップ2004校減るなど、じりじりとアジア勢の攻勢を受けている。トップ200に入るヨーロッパの大学も毎年減少し、この5年間で9校減った。
 THEチーフ・ナレッジ・オフィサーのフィル・ベイティ氏は、コロナ禍による高等教育への影響について「特に欧米諸国の大学にとって最悪の状況がしばらく続き、アジアの台頭はさらに加速するだろう」と予測。「学生と教員の国際的流動性が下がることによって欧米の有力大学の資金調達が難しくなれば、アジアの大学はさらに勢いづく。アジアの優秀な人材がアメリカやイギリスの有力大学に流出せず域内に留まるようになると、グローバルな知識経済(knowledge economy)の勢力図がアジア優位へと変わっていくかもしれない」と指摘する。

●5分野13指標でスコアを算出

 「THE世界大学ランキング2021」は基本的に前回と同じ指標を用い、教育、研究、被引用論文、国際性、産業界からの収入の5つの分野について、13の指標で各大学のスコアを算出している。今年のランキングでは8600万件の論文引用、1360万本の論文を分析し、世界22000人の研究者による評判調査も反映している。
 各分野・指標の比重は以下のとおり。

◇教育(教育環境) 30
・評判調査<教育> 15
・学生に対する教員比率 4.5
・学士課程学生に対する博士課程学生比率 2.25
・教員に対する博士号取得者比率 6
・大学の総収入 2.25

◇研究(量、収入、評判) 30
・評判調査<研究> 18
・研究関連収入 6
・学術生産性 6

◇被引用論文(研究影響力) 30

◇国際性(教員、学生、研究) 7.5
・外国籍留学生の割合 2.5
・外国籍教員の割合 2.5
・国際共同研究 2.5

◇産業界からの収入(知の移転)2.5


*関連記事
「THEアワードアジア」最終選考に向け日本の大学6校が1次審査を突破
THEアジア大学ランキング―1位・2位は中国、日本の最高位は東大の7位
SDGsに対応したTHE大学インパクトランキングで北海道大学が総合76位
「THE世界大学ランキング日本版2020」-東北大学が初のトップに
THE世界大学ランキング日本版-「国際性」順位が向上した大学<上>
THE世界大学ランキング日本版-「国際性」順位が向上した大学<下>