文科省「私立大学等の振興」検討会議がガバナンスWG設置へ

●社会福祉法人制度等を参考に理事、評議員、監事の課題を議論
●評議員の議決機関化には慎重意見も
●理事・評議員の研修の必要性が指摘された

文部科学省の有識者会議「私立大学等の振興に関する検討会議」の第7回が9月26日、都内で開かれた。理事と評議員の兼務の是非など、学校法人のガバナンスの課題について意見交換。今後、ガバナンスについて集中的に話し合うワーキンググループを設けることになった。
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●情報公開も議題に

 この日の会議では、大学の公益性の観点から主に以下の事項について意見を交わした。
①理事・理事会制度
・経営と教学が一体となって改革を進める体制の構築
・理事会機能の実質化
・理事の選任・解任のあり方や外部理事の活用
②評議員・評議員会制度
・評議員会の権限や位置付け
・評議員の外部登用
③監事制度
・教学面を含めた業務監査の充実、常勤化等による監事機能の強化
・監事の選任・解任のあり方
・会計監査人の位置付け
*理事、評議員、監事共通の課題として、善管注意義務(業務を委任された人の専門的能力上、通常、期待されるべき注意義務)や、法人・第三者に対する損害賠償責任を明確にすることについて
④情報公開の推進

●理事と評議員の兼務に疑問の声

 ①②③については、社会福祉法人や医療法人等、改革が先行した他の公益法人制度を参考にしながら、大学法人制度の見直しについて検討した。
 社会福祉法人では「理事と評議員を兼務できない」「評議員会は議決機関である」のに対し、学校法人では「理事と評議員を兼務できる」「理事会が議決機関。評議員会は原則として諮問機関であり、寄付行為によって議決機関にもなれる」とされている。これについて委員から「決定事項を執行する理事と、それを監督・チェックする評議員を兼務するのは、本来おかしい」「評議員の権限を強化する場合でも、非常勤の者も多い評議員会がすべての事項を議決するのは無理がある」などの意見が出た。
 理事、評議員の外部登用で開かれた運営をする必要性が指摘される一方、責任を十分果たせるよう、研修を通して知識・能力の向上を支援すべきとの声が目立った。監事の常勤化については、「小規模な法人では困難」との声が委員の間からも上がる中、「1人は常勤にすることを原則とし、規模等による例外を認めてはどうか」との提案も。
 情報公開については、「税金投入に対する説明責任として、より積極的に進めるべき」との考えで一致。どんな情報をどこまで出すか、あらためて検討する必要があるという意見が大勢を占めた。
 ガバナンスについては、検討会議の委員「多くとも6人程度」(文科省の担当者)で構成するワーキンググループを設け、論点整理と具体的な方向性のたたき台作りをして検討会議に上げていくことになった。
 次回は10月24日(月)10時から三田共用会議所で開かれる。