2018.0117

更新版 センター試験予想平均点は文理とも若干の変動~ベネッセ「データネット」

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3行でわかるこの記事のポイント

●文系は554点(-2点)、理系は564点(+2点)
●全国の高校から回収した自己採点と志望校のデータを分析
●各大学は志願者状況について適切な情報提供を

*本記事は「センター試験の問題分析に基づく予想平均点」をお伝えした1月15日の記事を「自己採点データに基づく予想平均点」として更新したものです。

ベネッセコーポレーションと駿台予備学校が提供する大学入試センター試験自己採点集計「データネット2018」は1月16日夜、全国の高校から回収した自己採点データに基づく予想平均点を発表した。予想平均点は、文系5教科8科目(900点満点)で554点(前年のセンター最終発表と比べると-2点)、理系5教科7科目(900点満点)で564点(同+2点)と、どちらも前年度から小幅な動きとなっている。データネットでは自己採点結果と志望校のデータを分析し、各大学の志望動向等の情報を高校に還元する。各高校はその情報を活用しながら生徒への出願指導を行う。予想平均点の概要と合わせ、今後の高校の動きを紹介する。

*「データネット2018」の平均点情報はこちら
*入試センターからの情報はこちら


●18歳人口は1.5%減だが志願者数は1.2%増

 1月16日夜に発表されたデータネットの予想平均点は、国語が105点(前年のセンター最終発表と比べると-2点)、数学I・数学Aが62点(同+1点)、英語筆記が124点(同±0点)といずれも大きな変動はなかった。倫理68点(同+13点)、化学61点(同+9点)、日本史A45点(同+8点)などで変動が大きかった。 
 センター試験の志願者数は58万2671人で前年度より1.2%増えた。18歳人口が1.5%減る中で志願率は上昇。既卒の志願者数は前年度より4.9%多い10万3948人だった。全体に占める割合も前年度より0.6ポイント高い17.8%となっており、前年度入試で多くの大学が合格者数を絞り込んだ影響と推測される。
 今回、国語の試験で2021年度入試から実施される大学入学共通テストの方向性を先取りするような出題が見られた。図について生徒たちが考えを述べ合う場面についての出題で、言語活動の充実を意識したものと言える。
 データネットでは16日までに、約4800の高校、予備校から46万4300人分の自己採点結果を回収し、予想平均点を算出。これと合わせて全体概況、各大学の志望動向や志望者度数分布等を算出、分析する。18日から全国で高校教員を対象にしたデータネット説明会を開催する一方、ウェブサイトでもこれらの情報を発信する。

●前年度、1週間でのデータネットの総PVは789万

 センター試験以降、出願指導に関する高校現場の動きは学校によって多少異なるが、おおよそ次のような流れになる。
 各高校は15日(月)、センター試験受験者から自己採点結果を回収。科目ごとの得点と第1志望校から第6志望校までを記入したカードを集め、データネット等、各社に提出。その一方で、自己採点の結果に一喜一憂しないよう、生徒のケア、励ましにも気を配る。
 17日(水)には、各高校でデータネットから各生徒の志望校合格可能性を確認する情報がダウンロードできるようになる。教員は自己採点結果から合否が特に気になる生徒についてこの情報を確認し、面談での指導の方向性を検討しておくといった使い方がなされる。
 18日(木)午後以降、全国約60会場で計5000人以上の高校教員を対象にデータネット説明会が開かれる。ここでセンター試験の結果分析、各大学の合格ライン、どの大学に多く志望者が集まっているかといった情報と合わせ、出願指導のポイントが解説される。
 各高校では同日夕方から19日(金)にかけて、進路指導担当者や3年生の担任を中心とする会議が開かれる。データネット説明会に参加した教員から情報が共有され、出願指導の方針、生徒一人ひとりに対する指導・助言内容を確認。併願先の検討などもなされる。
 この会議をふまえ、早い高校では金曜日から、個人面談や3者面談を実施。学校によっては土日に面談をするケーもある。そこで志望校の合格可能性を確認し合い、本人の考えと教員の助言をすり合わせながら出願先を決める。
 国公立大学の個別学力試験の出願受け付けは1月22日から1月31日まで。生徒は私立大学についても、模試データもふまえ、各大学のウェブサイトで公表される志願者速報を確認しながら出願先、併願先を決めていく。高校の進路指導に詳しい進研アド基盤戦略室商品基盤部の仁科佑一グループリーダーは「各大学はウェブサイト等を通じて志願者の状況を随時更新し、受験生の適切な出願を支援することが重要だ」と話す。
 データネットには高校生や高校教員から多くのアクセスが集まる。前年度はセンター試験直後から1週間の総PV数が789万、延べ訪問者数は120万人に上った。


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