2016.0122

「三つのポリシーの策定&運用ガイドライン」の素案

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3行でわかるこの記事のポイント

~中央教育審議会「大学教育部会(第41回)」傍聴報告~

2016年1月18日に行われた大学教育部会で、「学位授与の方針」(ディプロマ・ポリシー)、「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラム・ポリシー)及び「入学者受け入れの方針」(アドミッション・ポリシー)の策定及び運用に関するガイドライン(素案)が出されました。ポイントをご紹介します。


●策定単位は「学位プログラム」

 三つのポリシーの策定単位の基本は、「授与される学位の専攻分野ごとの入学から卒業までの課程とすることが望ましい」とされています。将来像答申以降、「学生の学位取得」を主軸とした教育課程が問われていますが、その流れをくんだものです。
 ただし、アドミッション・ポリシーに関しては、「くくり入試」などもあるので、必ずしも学位プログラムごとにはなりません。
 それぞれのポリシーを策定するに当たっての留意事項も示されました。「具体的に」表記することが強調されています。
 また、ディプロマ・ポリシーに関しては、学士課程答申で示された「学士力」や日本学術会議の「参照基準」等も参考にすることが記されています。
※参照基準 http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/daigakuhosyo/daigakuhosyo.html

●策定単位ごとにPDCAサイクルを確立

 内部質保証を確立するために、三つのポリシーを起点とするPDCAサイクル、さらにD(教育の実施)にもう一つのPDCAサイクルを機能させることが求められます。今回のポンチ絵も、「大学教育改革の実現」として2つのPDCAサイクルが図式化されています。
 三つのポリシーを作るだけではなく、うまく機能しているかどうかをマネジメントする仕組みも併せて検討する必要がありそうです。

●2016年度中の策定完了が必須

 2015年度中に省令改正とガイドライン策定が行われ、2017年4月に義務化される予定です。つまり、各大学は、2016年度中に一体的な三つのポリシーの策定を完了する必要があります。
 ディプロマ・ポリシー→カリキュラム・ポリシー→アドミッション・ポリシーが標準的な策定手順ですが、最後にアドミッション・ポリシーが固まった段階で入試を大きく変更しようとしても、2年前告知ルールに基づくと、2017年度入試には間に合わないことになります。全体のスケジュール設計を綿密にしておきたいところです。

次回開催は2月17日。大学分科会(1月26日)での意見を反映させた案について検討する予定です。