高校教員の過半数が「オープンキャンパスは1年次に」-進研アド調査

●高校教員約1400人に新入試世代の進路指導について質問
●第一志望校や併願校の決定時期も前倒しの傾向
●大学の募集広報スケジュールも見直しの必要あり

進研アドが今年11月、高校教員に実施した調査によると、新入試の対象となる現2年生以降については「1年次にオープンキャンパス参加を促す」「第一志望校を決めるのは2年次」など、進路指導を前倒しで進める考えであることがわかった。高校のこうした変化を受け、大学側も学生募集広報の各施策の実施時期や内容について見直しが必要になりそうだ。


●「現行入試世代」と「新入試世代」の指導について質問

 進研アドの調査は、11月中旬、ベネッセコーポレーションが全国で開いた高校教員向け研究会の26会場で実施、計1388人から回答を得た。文部科学省が11月1日に大学入学共通テストへの英語外部検定試験導入の延期を発表した後も、進路指導の前倒しを考えている教員が多いことが浮き彫りになった。以下で調査結果を紹介する。
 2021年度入試から新入試制度に移行するにあたり、進路指導のタイミングがどうなるか聞いたところ、約半数が「早期化する」と答えた。

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 多くの高校では低学年からの進路指導がすでに進行しており、これ以降の質問に対する回答も含めて考えると、新入試制度に対応するため進路指導を早期化させる高校が増えそうだ。
 これ以降の質問は、現行入試世代(現在の3年生まで)と、新入試世代(現在の2年生以降)、それぞれの指導について聞いている。
 「大学研究を促す時期」は、現行入試世代の指導では「2年1学期」と「1年1学期」に二分されたが、新入試世代の指導では「1年1学期」に大きくシフト。「1年2学期」も増え、全学期合計すると「1年」が6割弱に上る。

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 「オープンキャンパス参加を促す時期」は、現行入試世代の指導では「2年」が52%だが、新入試世代の指導では「1年」が56%。今後、「オープンキャンパスは1年生から行くもの」という認識が広がりそうだ。

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●受験する入試方式の決定は3年1学期と2年2学期に二分

 「第一志望校を決めさせる時期」について最も多い回答は、現行入試世代の指導では「3年2学期」だったが、新入試世代は「3年1学期」へと、やはり前倒しになっている。学期を合計すると新入試世代の指導では「2年」が「3年」を上回り、今後は2年生のうちに第一志望校を絞り込む生徒が多くなりそうだ。

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 「併願校の決定時期」は現行入試世代の指導では「3年2学期」が圧倒的に多かったが、今後は「3年1学期」に前倒しする高校も相当数あると考えられる。

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 この調査では、入試方式の決定時期についても質問した。総合型選抜・学校推薦型選抜と一般選抜のどちらで受験するか決めさせる時期は、現行入試世代の指導では「3年1学期」が70%を占めるのに対し、新入試世代については「3年1学期」と「2年3学期まで」に大きく分かれた。

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 これは、新入試制度で年内入試の日程が後ろ倒しになることが影響していると推測される。総合型選抜の場合、出願時期が従来に比べ1カ月遅い9月以降となり、合格発表は11月以降と明示された。11月に不合格が確定すると一般入試に切り替えて受験準備をするのが難しいため、早めに入試方式を決めて十分な対策をさせたいということだろう。
 自由記述では「各大学の入試内容は3年のコース選択に関係してくるため、遅くともオープンキャンパスに行かせる2年8月までには大学が入試情報を公表してくれないと現場が混乱する」という要望もあった。

●募集広報では低学年を意識したコンテンツや表現が必要に

 今後、「1年生のうちに大学研究を始めてオープンキャンパスで理解を深め、2年生で第一志望校を決める」というスケジュールで進路指導を進める高校が増えることをふまえると、大学の学生募集広報のスケジュールを見直す必要がある。現在は夏が中心のオープンキャンパスを低学年向けに春にも開催したり、大学案内を取り寄せる時期の想定を従来の3年生7月から2年生1月として半年早く発行したりといった対応が考えられる。
 進研アド進路データベース部の仁科佑一グループリーダーは「低学年を対象として想定する場合、オープンキャンパスのコンテンツや大学案内の文章・用語はこれまでのものとは当然、変えるべき。大学は、探究学習をはじめとする高校の学びの変化も研究したえうで、ターゲットにしっかり届く情報を吟味する必要がある」と話す。