進路選び・受験と向き合う胸の内〜高校生マインドカレンダー <10月>

「進路選び・受験と向き合う胸の内〜高校生マインドカレンダー」は、2016年7月から毎月、進研アドのメルマガで配信し、ご好評いただいているシリーズです。大学の学生募集につながる情報をより多くの方にお読みいただけるよう、本ウェブサイトでも掲載いたします。進研アドの高校生モニターのアンケートや進路指導現場の情報を基に、時期折々の生徒のリアルな動きと声をお伝えし、効果的な募集広報のヒントを提供します。

今回からは、「3年生0学期」が目前に迫り、気持ちも環境も受験生へとシフトしていく2年生の情報に絞ってお届けします。入試本番に向け、大学の関心は3年生に集中しがちですが、高校では早くも、2年生を「次年度の受験生」として意識づけしていきます。志望校選びの視点が一面的になりがちな2年生に多様な選択軸を提供するような情報発信が、大学に求められています。


高2生の10月

◆進路指導◆
 個人面談や保護者会があり、「受験」「入試」という言葉が、学校でも家庭でも、嫌でも話題に上るようになります。次年度のクラス分けのため、大学の入試科目を調べて3年次の履修科目を決めていく時期でもあります。
 進研アドが秋以降の2年生の意識について高校教員にヒアリングしたところ、次のような声が聞かれました。

●高校教員の声

☆「もう志望校は決めました」と言う生徒でも、「決めた」の中身が、われわれの期待しているレベルとは落差があり、実質的には決めたと言えないケースが多いと思います。つまり、「将来やりたいこと」から「必要な専門分野が学べる大学」を探して比較検討して決めているわけではなく、「知名度があるから」「何となく名前を知っているから」と、その大学のことをほとんど調べないまま「志望校に決めた」と言っていることもあります(中部の公立高校教員)。
☆自分は何にこだわって大学を選ぶのか、「選択の軸」があいまいな生徒が多いように感じます。だから、知名度や偏差値だけで安易な大学選びをしてしまう。学びの内容はもちろん、資格や就職支援、奨学金、国際化への取り組みなど、多様な切り口で大学を比べてみて、その結果、自分なりの「選択の軸」を持ってほしいと思います(中部の公立高校教員)。

 近年、多くの高校で2年生の3学期のことを「3年生0学期」と呼んで、早めに進路意識を高めようとしています。「0学期」に大学の情報をたくさん集めて比較検討し、3年生1学期までには志望校を決めて受験勉強に取り組んでほしいと考える教員が多いようです。だからこそ、「0学期」目前の今の時期、生徒たちの「志望校はもう決めました」という意識の浅さが気になるのでしょう。
 実際、高校生の声からもそのような実態がうかがえます。

●この時期の高2生のつぶやき〜進研アド高校生モニターアンケート(2015年度、高2生を対象に実施)より

◆志望校とその理由◆
☆志望校は地元の国立大学。家から通えるし、将来を見通せそうな環境で、学内の雰囲気が自分にとても合っているから(九州の公立高校女子)。
☆志望校の一つは地元の国立大学の教育学部で、何と言っても近いから。もう一つは隣の県の教員養成系国立大学で、やりたいことがたくさんできそうなのと、周りに自然が多いのがいいと思いました(東北の公立高校女子)。
☆志望校は一応、東京の私立女子大ですが、実は自分に合っている大学がどこかよくわからないんです(東北、私立高校女子)。
☆将来は企業で食品の研究がしたいので、企業への就職率が高い地元の国立大学を志望しています。でも、将来、どんなことがしたいのか本当は自分でもよくわかりません(関東の私立高校女子)。

 高校生にとって「自宅通学」は依然、大学選択における重要な条件となっていますが、志望理由を語る時に真っ先に出てくるのが「近い」という言葉だというのは、やはりちょっと気になります。地元の国立大学を志望校に挙げる生徒が多いのは、特に地方の高校生にとって「知名度が高く身近な大学」の筆頭であり、学費などトータルなコストも安く済むからでしょう。「大学のことを多様な切り口から見たうえで、自分なりの選択の軸を持ってほしい」と言う先生の言葉もうなずけるのではないでしょうか。
 奨学金や寮など、「自宅からの距離」を埋めるための情報、そしてもちろん、学びの中身に関する情報をきちんと得ることによって選択肢が広がり、的確に絞り込むことができるはずです。そうした選択がなされることによって、大学側も「ミスマッチ」「中退」のリスクを軽減できます。
 3年生0学期(2年生3学期)という大切な時期、生徒には「本当の志望校」を決めるための具体的な情報が必要です。進研アドの『大学発見ナビ』は、学びの特色、資格や就職支援、新設の学部・学科、国際化への対応など、さまざまな切り口から高校生、そして高校教員の「知りたい」に応える情報を届けます。
 貴学の教育は、どのような切り口で見た時に最もその魅力が伝わり、高校生の心に大学の名前を刻み込むことができるのか-。そのような観点から、情報発信のあり方を考えてみる必要がありそうです。